研究課題/領域番号 |
19K07243
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48010:解剖学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
原田 理代 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 講師(キャリアアップ) (80555756)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 中腎管 / 中腎傍管 / 精管 / 精嚢 / Cxxc5 |
研究開始時の研究の概要 |
中腎管(将来の精巣上体、精管、精嚢)と中腎傍管(将来の卵管、子宮、膣)は、胎生期に雌雄同様に形成される。その後、雄では中腎管が分化して中腎傍管が消失し、雌では中腎傍管が分化して中腎管が消失する。我々は、CXXC5が中腎管と中腎傍管で強く発現し、中腎傍管で特異的にCxxc5を欠損させた雄マウスが不妊になることを発見した。本研究では、中腎傍管特異的Cxxc5欠損雄マウスの雄性生殖管の形態形成異常と不妊の分子機構を解明することで、雄性生殖管形成に対する雌性生殖管の協調的な発生機構を明らかにする。本研究の成果は、ヒトで男性不妊をもたらす中腎傍管嚢胞の発症機序の解明に寄与する可能性がある。
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研究成果の概要 |
中腎管(将来の精巣上体、精管、精嚢、精管膨大部腺)と中腎傍管(将来の卵管、子宮、膣)は胎生期に雌雄同様に形成され、雄では中腎管が分化して中腎傍管が消失し、雌では中腎傍管が分化して中腎管が消失する。我々は中腎傍管で特異的にCxxc5を欠損させた雄マウスが不妊になることを発見した。本研究は、雄性不妊が将来消えゆくはずの雌性生殖管の発生異常によりもたらされる機構の解明を目的とした。中腎傍管特異的Cxxc5欠損雄マウスは、胎生期に中腎傍管が伸長停止し高い位置で先端部が残存することが発端となり、精管から精嚢と精管膨大部腺が分岐する部位の構造が異常になり、精子が迂回し質が低下して不妊になると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
過去の研究では、雄性不妊の原因について雄性生殖管にのみ着目しているが、本研究は、雄性不妊が雌性生殖管(中腎傍管)の発生異常によりもたらされるという新機構を提唱するものである。中腎傍管特異的Cxxc5欠損雄マウスが示す中腎傍管の残存は、ヒトで、男性不妊をもたらす中腎傍管嚢胞の症例と類似している。しかしながら、なぜ男性で中腎傍管が残存するのか、女性生殖管原基である中腎傍管の残存がなぜ男性不妊をもたらすのか、その機序は分かっていない。よって、本研究が、ヒト男性不妊症である中腎傍管嚢胞の発症機序解明に貢献できる可能性がある。
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