研究課題/領域番号 |
19K07245
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48010:解剖学関連
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
雪田 聡 静岡大学, 教育学部, 准教授 (80401214)
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研究分担者 |
中村 浩彰 松本歯科大学, 歯学部, 教授 (50227930)
林 利憲 広島大学, 両生類研究センター, 教授 (60580925)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 骨代謝 / Osteoprotegerin / 両生類 / CRISPR/Cas9 / 長管骨 / ゲノム編集 / 破骨細胞 / 骨芽細胞 / 軟骨内骨化 / CRISPR/Cas9システム / 遺伝子欠損 / OPG / RANK / RANKL / SOST / 有尾類 / 無尾類 |
研究開始時の研究の概要 |
哺乳類と両生類の長管骨は複数の点において相違点を持ち、骨組織がどのように進化したかをうかがわせる。従って、この二種の生物に着目し、骨に関与する遺伝子の働きを比較することで、骨形成の基本原理と進化の道筋を明らかにできると期待できる。遺伝子レベルでの骨形成メカニズムについて哺乳類では研究が進んでいるが、両生類ではこれまでほとんど研究が行われていなかった。ゲノム編集技術の飛躍的進歩により両生類でも遺伝子の改変が可能になったため、本研究では哺乳類で骨形成に重要であることが知られている複数の遺伝子に着目し、果たして両生類でも同じ機能を担っているのか、それとも別の機構が存在するのかを明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では、哺乳類で骨代謝に重要な遺伝子であるOsteoprotegerin(Opg)を欠損したネッタイツメガエルおよびイベリアトゲイモリを世界で初めて作出し、骨組織への影響を検討した。組織学的な検討により、両種ともにOpg欠損個体の大腿骨において破骨細胞数の増加が観察された。さらに、イベリアトゲイモリでは、μCT撮影により骨量の減少も認められた。この事から、Opg遺伝子破骨細胞分化抑制能は両生類においても保存されていることが示唆され、骨代謝機能の進化的な変遷に重要な知見が得られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、哺乳類で破骨細胞分化を抑制しているOsteoprotegerin(Opg)の両生類での役割を明らかにするため、Opg遺伝子が破壊されたネッタイツメガエルとイベリアトゲイモリを作成し、哺乳類と同様に骨が減少する結果を得ました。両生類は哺乳類と比べて、骨の作り変え(骨代謝)が活発ではなく、原始的な骨であると考えています。本研究の結果から、その原始的な両生類の骨においても、Opgが我々の骨と同じような役割を担っていることが明らかになり、骨代謝の基本的な仕組みは、脊椎動物で広く保存されていることが分かりました。
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