研究課題/領域番号 |
19K07251
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48010:解剖学関連
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
中島 裕司 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (80207795)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 心臓形態形成 / 冠状動脈発生 / パターン形成 / VEGF / Sema3a / CXCR4 / CXCL12 / 低酸素 / 心臓 / 冠状動脈 / 発生 / メカニズム |
研究開始時の研究の概要 |
心臓に酸素や栄養を供給する冠状動脈は左冠状動脈と右冠状動脈から構成されます。成人では動脈硬化による冠状動脈の狭窄や閉塞によって心筋梗塞が起こります。一方、冠状動脈が正しく形成されないと小児期に心不全や突然死が起こります。胎生期に冠状動脈が形成されるメカニズムを明らかにすることは心筋や冠状血管の再生医療の開発に寄与することができます。また先天性異所性冠状動脈起始症等の原因を明らかにすることができます。申請者はこれまでに冠状血管の起源やその発生過程を明らかにしてきました。本研究では冠状動脈の主幹部(大動脈から起始する血管)が正しく形成されるメカニズムについて研究します。
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研究実績の概要 |
心臓の冠状動脈は上行大動脈基部の周囲に形成された毛細血管網から内皮細胞索が大動脈壁に侵入して形成される。一方、正常発生では内皮細胞索は肺動脈幹には侵入しない。本研究の目的は冠状動脈が大動脈から選択的に起始(大動脈に選択的に侵入)するメカニズムを解明することである。実験は鶏胚心臓のin vivoシステムと新しく確立した冠状動脈形成過程を模倣する三次元培養システム用いて行った。冠状動脈形成前の大動脈周囲毛細血管網にはVEGF (vascular endothelial growth factor) の作用を抑制するSemaphorin-3a (Sema3a)が発現していた。発生が進み、冠状動脈内皮細胞索形成時には毛細血管網のSema3aの発現は低下していた。このSema3aの発現低下は大動脈周囲の組織低酸素状態によって誘導されることが分かった。Sema3aの低下は大動脈周辺のVEGF活性を選択的に上昇させ、CXCR4陽性の内皮細胞索形成を誘導した。また上行大動脈基部には肺動脈幹に比べCXCR4のリガンドであるCXCL12 (SDF1)が強発現していた。このCXCL12の発現は低酸素によって誘導されることが分かった。in vivoで胚心臓心膜体腔にSema3a、あるいはCXCL12-CXCR4シグナルアンタゴニストを投与すると、冠状動脈は低形成あるいは無形成となった。以上の結果から、冠状動脈主幹部の発生過程では①大動脈周辺の毛細血管網のVEGF活性が組織低酸素状態によって上昇し、②CXCR4陽性の内皮細胞索が誘導される、③同時に低酸素によって大動脈にCXCL12の発現が誘導され、④CXCR4陽性の内皮細胞索が大動脈に侵入し、冠状動脈主幹部は選択的に大動脈につながることが判明した。本研究により、冠状動脈が選択的に大動脈から起始する分子メカニズムが明らかになった。
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