研究課題/領域番号 |
19K07258
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48010:解剖学関連
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
岡部 正隆 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (10300716)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2020年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2019年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
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キーワード | Gcm2 / 咽頭嚢 / 発生 / 副甲状腺 / パイオニアファクター / 転写調節 / 鰓 / マウス / ゼブラフィッシュ / HEK293 / 転写 / TAD / APEX / 転写制御 / ゲノム / CRISPR/Cas9 / Gcm / 進化 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、共通祖先器官から派生した真骨魚類ゼブラフィッシュの鰓と四肢動物マウスの副甲状腺をモデルとし、双方の発生に共通で必須な転写制御因子GCM2の機能をそれぞれゲノムワイドに解析し、2つの器官発生で共通の継承された「保守的」な遺伝子座と、異なる機能・形態をもたらした「革新的」な遺伝子座をそれぞれ明らかにする。鰓と副甲状腺は共に体液の恒常性を維持するために必須の器官であり、共に咽頭嚢から発生し、その過程ではGcm2遺伝子が必須である。パイオニア因子様の機能を有するGCM2の各種網羅解析を通じて、器官の進化をもたらせたゲノムの機能の変化を明らかにすることを目的とする。
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研究実績の概要 |
理研BRCより提供されたラット由来の副甲状腺培養細胞(PT-r)を用いて、RNA-seqとATAC-seqに適するか検証を行った。PT-rのGcm2の発現は低いことから、Control細胞にはマウスGcm2を導入したPT-rを使用し、Gcm2KO細胞についてはGcm2KOベクターを導入することで、ATAC-seqとRNA-seqを行った。驚くことにcontrol細胞とKO細胞間で発現に差がある遺伝子数が8000以上もあり、その変化のほとんどがGcm2KOによる影響であった。これらのことから、Gcm2は副甲状腺細胞の維持に重要であり、その欠損はさまざまな細胞活動に広く影響を与える可能性が明らかとなった。さらに本研究のATAC-seq, RNA-seqの結果と既報のchip-seqの結果(Jung et al.,2024)から、Gcm2のターゲットとなりうる転写因子を抽出した結果、多くの転写関連因子がKOによって減少することが明らかとなった。この結果はGcm2がパイオニアファクターとして働いていることを強く示唆させた。また、KOによって発現が増加する転写因子も多くあり、この中にはGata3やRing1といったパイオニアファクターやpolycomb複合体の構成因子があり、クロマチンの構造を大きく変化させて多くの遺伝子の転写抑制を行っている可能性が示唆された。 本研究を通じて、種間のGcm2の比較の結果から、マウスGcm2はゼブラフィッシュと異なる転写活性を示すことを明らかにし、また、種間の転写活性化能の違いはGcm2のTADに依存していることを明らかにした。TAD領域に見られる構造の違いが転写活性化能の違いを生み、さらにその違いが異なる下流遺伝子の発現を促すことで、発生する形態の違いをもたらす可能性が考えられた。またATAC-seqの結果から、Gcm2がパイオニアファクターである可能性が強く示唆され、Gcm2の新たな機能を明らかにすることができた。
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