研究課題/領域番号 |
19K07259
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48010:解剖学関連
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研究機関 | 神戸学院大学 |
研究代表者 |
水谷 健一 神戸学院大学, 薬学研究科, 特命教授 (40469929)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 脳老化 / 神経疾患 / 血管環境 / 血管老化 / VEGF / 大脳皮質 / VEGF受容体 / 選択的脆弱性 / 神経細胞の脆弱性 |
研究開始時の研究の概要 |
脳は、神経細胞、グリア細胞などから成り立っているが、これらの構成細胞の中で虚血に最も弱いのは神経細胞である。この虚血に対する神経細胞の脆弱性は均一ではなく、組織部位によって大きく異なり、選択的脆弱性の存在が古くから指摘されており、大脳皮質の第III、V/VI層、海馬のCA1は脆弱であることが示されている。本研究では、脆弱領域における毛細血管の形態学的・分子的な特徴を明確化することを目指す。
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研究成果の概要 |
本研究は、加齢や神経疾患で観察される脆弱性が、脳の領域選択的な脈管系の構造的特徴、あるいは加齢による領域選択的な血管老化が関与する可能性に着目した。その結果、VEGFR1陽性の内皮細胞を指標として、老齢では領域選択的に血管密度の減少が観察されることが見出され、また、アルツハイマー病モデル動物の脳血管を詳細に観察したところ、特徴的な毛細血管の周囲でβアミロイドの蓄積が若齢から優先して観察された。今後、本研究を発展させ、老齢脳やアルツハイマー病脳における限られた組織領域が、何故脆弱であるのかを血管老化の観点からさらに分子的に追求することで、脳疾患の治療や予防に応用可能な技術を見出したい。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
毛細血管は全ての組織の機能維持に必須の役割を担うが、血管は加齢に伴って質的・量的に劣化することが知られている。このため、加齢に伴う脳機能の低下を抑えるためには、血管老化を予防することが重要と考えられており、効率的な血管老化予防法・治療法の確立が望まれている。本研究で見出された老齢脳や病態脳における領域選択的な血管老化に関する萌芽的知見が、今後、脳の老化や病態の解明に寄与することが期待される。
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