研究課題/領域番号 |
19K07263
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48010:解剖学関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
渡辺 啓介 新潟大学, 医歯学系, 講師 (20446264)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 中隔核 / 恐怖行動 / Dpy19L1 / 細胞移動 / 脳弓 / 脳・神経 / 発生・分化 / 解剖学 |
研究開始時の研究の概要 |
恐怖や不安は、動物の生存に必須となる重要な情動であるが、その中には経験に基づかない先天的なものがある。先天的な情動行動を制御する神経回路は、遺伝子レベルで設計されていることが予想されるが、その分子メカニズムについては未知な点が多い。私達は、糖転移酵素Dpy19L1ノックアウト(KO)マウスが、生来の恐怖行動を示さないこと、さらに恐怖・不安に関わる後方中隔核の形成異常を呈することを見出した。この結果は、Dpy19L1が中隔核形成を制御することで、恐怖行動に関与することを示唆する。そこで、Dpy19L1に焦点を当て、生来の恐怖行動に関わる神経回路形成の分子メカニズムの一端を明らかにする。
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研究成果の概要 |
生来の恐怖行動を制御する神経回路の発生メカニズムは明らかにされていないことが多い。本研究では、恐怖行動の減弱と恐怖・不安制御に関わる後方中隔核の構築異常を示すDpy19L1 KOマウスの神経回路形成異常について解析を行った。その結果、中枢神経系特異的Dpy19L1 KOマウスにおいて恐怖行動異常、後方中隔核構築異常および脳弓走行異常が観察された。さらに、後方中隔核ニューロン移動には脳弓の適切な走行が必須であること、大脳皮質特異的Dpy19L1 KOマウスの後方中隔核形成異常がわかった。以上の結果から、発生期大脳皮質に発現するDpy19L1が間接的に後方中隔核形成に関わることが強く示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
動物にとって恐怖や不安は極めて重要な情動の一つである。野生動物においては、天敵に対する恐怖は生存にとって必須であるし、ヒトにおいても過度な恐怖・不安は不安症などの障害に繋がり、社会的にも重要視されている。しかしながら、恐怖や不安の神経回路がどのような発生メカニズムで形成されるかはほとんどわかっていない。私達はDpy19L1 KOマウスが人を怖がらないという異常な行動を示すことに注目し、その発生異常の解析を進めてきた。本研究により、Dpy19L1がどのようなメカニズムで恐怖の神経回路発生を制御しているかがわかってきた。
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