研究課題/領域番号 |
19K07275
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48010:解剖学関連
|
研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
菅原 大介 杏林大学, 医学部, 助教 (00390766)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | ニッチ細胞 / ムチン / 糖鎖 / 腸管上皮 / 免疫組織化学染色 / レクチン / 大腸 / フコシル化糖鎖 / 組織再生 / 糖タンパク質 / 組織化学 |
研究開始時の研究の概要 |
腸管では、傷害された上皮を適切に再生し、恒常性を維持するため、性質の異なる2種類の幹細胞が存在する。それらの分裂増殖は、ニッチ細胞により制御されるが、その精緻な機構は未解明な点が多い。研究代表者は糖鎖の発現の違いにより、大腸ニッチ細胞が2種類に分けられることを明らかにした。本研究では、傷害された大腸上皮が再生する過程において、このような2種類のニッチ細胞の特性や役割の違いを明らかにし、どのように幹細胞の制御に関与するか検討する。幹細胞の制御と糖鎖を密接に関連付けることで、腸疾患の病因・病態の理解と治療へ向けて、腸管が恒常性を維持する機構の理解を新たな視点から進展させる。
|
研究成果の概要 |
腸管上皮の恒常性を維持する機構の解明は、全身の健康維持と疾病の理解につながる重要な課題である。大腸陰窩のcKit陽性細胞はニッチ細胞として幹細胞を制御するが、その性質や恒常性を維持する機構における役割には不明な点が多い。本研究では、免疫組織化学的手法を中心としたマウス大腸の解析から、糖鎖発現の異なる2種類のcKit陽性細胞が、幹細胞を中心とする恒常性維持の機構や、上皮の再生においてどのような役割を果たすのか、また、どのような特性の違いを有するのか検討した。大腸近位-遠位軸に沿ったcKit陽性細胞による幹細胞制御の違い、また、陰窩中央~上部の杯細胞とのムチン産生細胞としての違いを明らかにした。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
cKit陽性細胞の糖鎖発現への着目から、その組織学的特徴と、上皮の恒常性維持に寄与する多様な機能が明らかになった。幹細胞制御のみならず、ムチン産生においても特有の機能を有した。その細胞状態と役割は、近位-遠位軸に沿った大腸の部位や再生過程など腸管の状況に応じて調整されることも示した。大腸上皮の細胞構築を理解する上で新たな知見であると同時に、恒常性を維持する精緻な機構の一端を解明した。腸管内腔を覆うムチン層、特にその付加糖鎖の異常は腸疾患と関連が深い。cKit陽性細胞の不具合は、ムチン産生と幹細胞制御、両方の異常を介し腸疾患と関連する可能性が高く、病因・病態を理解する上で重要な細胞を見出した。
|