研究課題
基盤研究(C)
酸性オルガネラであるゴルジ体、エンドソームやリソソームなどの内腔は酸性pHに保持されている。この酸性環境は細胞の生存に必須であり、その破綻が種々の疾患の発症要因であることが報告されている。酸性オルガネラの1つ、ゴルジ体の形態異常は種々のヒト疾患病巣部の細胞において観察される。しかしながら、内腔の酸性環境の破綻と病態発症の因果関係には不明な点が多く残っている。そこで、本研究課題では、ゴルジ体局在イオンチャネルGPHRに着目し、ゴルジ体の酸性環境破綻に起因する形態異常や細胞内変動の解明を目指す。
細胞内オルガネラのうち、分泌経路に位置するオルガネラはその内腔を酸性環境に保持しており、酸性オルガネラと総称されます。本研究課題では、神経組織におけるゴルジ体酸性環境維持機構の生理機能に焦点をあて、遺伝子改変マウスを用いた解析を遂行した。その結果、脳神経系ではゴルジ体酸性環境はSREBP2の活性化を介したコレステロール生合成に寄与していること、そして、その経路の破綻は神経細胞の形態形成を抑制することを明らかとした。
酸性オルガネラの解析において、ゴルジ体の酸性環境維持機構の生理機能やその破綻による病態生理は、そのほとんどが培養細胞を用いた解析に留まっていた。そこで、本研究課題では、ゴルジ体酸性環境維持に必須な遺伝子GPHRの遺伝子改変動物を用いて、組織レベルにおけるゴルジ体酸性環境維持機構の生理的意義とその破綻に伴うゴルジ体形態異常の病態生理的意義を明らかにした。今後はより詳細な病態発症の分子機構を明らかにすることで、ゴルジ体酸性環境の破綻に起因する病態発症機序の解明および新たな治療法の発見に繋がると期待できる。
すべて 2022 2021 2019 その他
すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 2件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (3件) 備考 (1件)
J Biol Chem
巻: 297 号: 6 ページ: 101405-101405
10.1016/j.jbc.2021.101405
Nature Communications
巻: 12 号: 1 ページ: 16-16
10.1038/s41467-020-20185-1
eNeuro
巻: 6 号: 3 ページ: 0427-18
10.1523/eneuro.0427-18.2019
Life Sci Alliance.
巻: 3 号: 1 ページ: 201900513-201900513
10.26508/lsa.201900513
https://juntendo-cellbio.jp/