研究課題/領域番号 |
19K07281
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48020:生理学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
三木 隆司 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (50302568)
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研究分担者 |
李 恩瑛 千葉大学, 大学院医学研究院, 助教 (60583424)
波多野 亮 千葉大学, 大学院医学研究院, 助教 (60521713)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 糖尿病 / 膵島再生 / 膵β細胞 / 前駆細胞 / インスリン / 再生 / 幹細胞 / 脱分化 |
研究開始時の研究の概要 |
糖尿病患者では進行性に膵β細胞の量と機能の低下が進行する。従って膵β細胞の再生促進は糖尿病の根治治療となり得る。申請者らは活発な膵島再生を誘導可能な膵島再生マウスと膵β細胞の脱分化を誘導できる擬膵島移植マウスを樹立し、レーザーキャプチャーマイクロダイセクション法(LCM法)を用いた再生膵島の遺伝子発現解析法を確立した。本研究では、これらの動物モデルと実験系を組み合わせて、局所環境の変化により惹起される膵β細胞の増殖・分化・脱分化の制御機構の解明を目指す。
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研究成果の概要 |
糖尿病は慢性の高血糖を本態とする重篤な代謝疾患であるが、膵β細胞の量(膵島量)と質の低下が主たる病態と考えられている。一方、健常人ではこれらは生涯に渡り維持される。従って、膵β細胞の量と質の改善は糖尿病の根治治療となり得るが、膵島量と質の維持機構は多くが未だ不明である。本研究ではその制御機構を、我々が樹立した膵島再生マウスを用いて解析した。解析の結果、膵島量の減少は代償性の膵β細胞の細胞分裂を誘導するが、その誘導様式は膵β細胞を取り巻く局所環境が規定しており、膵島内の細胞配列を破綻させる条件下では少数の膵β細胞が脱分化し、反復増殖を介して膵島量が維持されることが明らかになった
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
膵島再生は糖尿病の根治治療となり得るが、実際の生体で、膵β細胞が膵島再生を担うだけの十分な再生能を有しているのか。どの様な方法で再生を人為的に誘導できるのかなど、基本的な疑問が未解決である。正常状態での膵島量の制御機構と、膵β細胞の増殖機構を解明することは、これらの課題を解決する上で、不可欠な学術的な基盤である。今回の結果は、成体のマウスにおいては反復して細胞分裂が可能な膵β細胞が存在することが示され、膵島再生による糖尿病の根治治療の可能性を指示する結果となった。また、再生誘導法の違いにより異なった機序の再生が惹起されることが示された点も重要な成果であると考えている。
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