研究課題/領域番号 |
19K07282
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48020:生理学関連
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
竹田 有加里 福井大学, 学術研究院医学系部門, 助教 (20582159)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 洞房結節 / 洞不全 / ROS / Ca handling / 洞房結節細 / Ca2+制御異常 / 高血糖 / 洞房結節細胞 / シグナル伝達 |
研究開始時の研究の概要 |
糖尿病患者は不整脈の発症率が高く、糖尿病患者の死亡率を著しく増加させている。その病因には高血糖によるcAMP-Epacシグナル系の過剰な活性化を介する心筋細胞のCa2+ handling異常が関与すると示唆されているが、心自動能を司る洞房結節細胞のCa2+制御異常を検討した研究はない。申請者はマウス洞房結節細胞で自発的かつ局所的なCa2+放出local Ca2+ release (LCR)の記録に成功し、LCRの過剰な活性化が高血糖による不整脈発症に関与するとの知見を得た。本研究では高血糖のLCR増強作用機序を明らかにし、LCR制御破綻を介する洞房結節由来の不整脈発症機序を定量的に解明する。
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研究成果の概要 |
糖尿病患者は心房細動や洞不全などの不整脈の発症率が高く、糖尿病患者の死亡率を著しく増加させている。我々は洞房結節細胞のCa制御異常が糖尿病患者の洞機能不全に関与するとの仮説をえた。本研究では、高グルコース(HG)刺激で洞房結節由来の不整脈が誘導されるか、またそのメカニズムにおけるLCR制御破綻の関与を明らかにすることを目的とした。HG刺激は、単離マウス洞房結節細胞の収縮間隔およびランゲンドルフ灌流心のR-R間隔の変動を増大させた。HGはまた、単離洞房結節細胞のROSレベルおよび筋小胞体からのCa放出を増加させた。これらの機序により糖尿病における高血糖が洞不全に関与すると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、グルコース濃度を糖尿病レベルに上昇させることで、洞房結節由来の不整脈、つまり洞房結節機能不全を誘導することを、細胞レベルおよび臓器レベルで明らかにした。これは、世界で初めての発見である。また高グルコース刺激でROSおよび筋小胞体からのCa放出が増加することが、糖尿病における高血糖で洞不全を誘導するメカニズムに関与すると示唆された。さらに加齢では、高グルコースによる小胞体Ca放出および収縮の変則性がさらに増加することを明らかにし、加齢による洞不全への影響とそのメカニズムを世界で初めて明らかにした。
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