研究課題/領域番号 |
19K07284
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48020:生理学関連
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
石橋 賢 浜松医科大学, 医学部, 助教 (90832189)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | オレキシン / 発火後過分極 / 非選択的陽イオンチャネル / sAHP / SKチャネル / 覚醒 / slow AHP |
研究開始時の研究の概要 |
睡眠覚醒調節に関与するオレキシンが発見されて以来、細胞膜電位の変化とそれを引き起こす分子の同定など分子細胞生物学的な影響が検討されてきた。これに対して睡眠覚醒や情動の調節に関与する背側縫線核セロトニン神経においてオレキシンが単純に神経を脱分極させるのではなく、発火様式に影響を与える複数要因が同時に生じ複雑な影響を及ぼしていることを発見した。この発見は近年盛んに行われている生体において記録された実験の結果を理解するうえで非常に重要だが、その機序が完全に同定されたとはいえない。そこで、オレキシンがセロトニン神経の発火様式に及ぼす機能的影響を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究は、オレキシンが背側縫線核セロトニン作動性ニューロンの活動に及ぼす影響を検討した。オレキシンは、セロトニン作動性ニューロンを脱分極させると共に発火後過分極を増強して発火頻度順応を大きくする。このオレキシンによる発火後過分極増強のうちカルシウム感受性カリウムチャネルに依存しない遅い成分が、オレキシンにより活性化された非選択的陽イオンチャネルが発火活動に伴い細胞内へ流入したカルシウムにより一過性に抑制されたために生じる過分極であることを示唆する結果が得られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、オレキシンによる脱分極だけではなく発火後過分極の増強による発火頻度順応の変化、膜ノイズによるシナプス入力に対する感受性調節など入出力信号の処理にいかにオレキシンが寄与するか?という機能面に注目し総合的に検討する研究である。また、予備実験から得られたオレキシンの作用に対するカルシウム濃度依存性を示す結果は、本研究がオレキシンの作用機序のより詳細な解明という学術的問いに対する結果をもたらすことに留まらず、睡眠/覚醒調節に関連した病態機序を説明できることから、将来的には睡眠障害などの治療薬開発に向けた創薬につながると考えられる。
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