研究課題/領域番号 |
19K07294
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48020:生理学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
平井 大地 国立研究開発法人理化学研究所, 脳神経科学研究センター, 訪問研究員 (40746939)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 大脳皮質 / 5層錐体細胞 / 樹状突起 / 樹状突起スパイク / シナプス可塑性 / スパイン / トップダウン入力 / 睡眠 / 大脳新皮質 / 可塑性 / 記憶 |
研究開始時の研究の概要 |
記憶の定着(固定化)に睡眠が重要であることは広く知られている。最近、我々は睡眠時のトップダウン入力が知覚体験の記憶固定化に関与することを解明した。本研究では、神経細胞上の樹状突起スパインが学習・記憶に伴い新生・増大することに着目し、知覚記憶の固定化に関わる皮質トップダウン投射活動、この受け手である皮質5層神経細胞の樹状突起活動、スパイン活動を操作・記録し、これとマウスの記憶行動との因果関係を探る。
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研究実績の概要 |
睡眠には記憶を固定化する役割があり、その機構の破綻は日常生活に広範な支障を及ぼすことから、近年注目が集まっている。これまでの研究から、記憶の基盤となっているのは、シナプスにおける長期増強というメカニズムであると考えられる。大脳皮質では、興奮性シナプスの大半が樹状突起のスパイン上に形成され、スパインは記憶・学習に伴い形態が変化しシナプス伝達効率を変化させることから、記憶を固定化する細胞基盤と考えられてきた。一方で、研究代表者らは「睡眠時に脳で自発的に生成されるトップダウン入力が記憶の固定化に重要であること」を近年明らかにしており、本研究では、トップダウン入力の主要な受け手である感覚野の錐体細胞の樹状突起活動に着目した。はじめに、2光子励起イメージングにより樹状突起活動を記録したところ、学習直後の睡眠時、樹状突起スパイクと思われる大きなカルシウム活動が観察された。樹状突起スパイクの発生には、電位依存型カルシウムチャネルが関連している。そのため、スパイクの発生は細胞内カルシウムイオン濃度上昇を引き起こし、学習に関連する神経可塑性を引き起こす。そこで、学習によって活性化した樹状突起において樹状突起上のスパインの形態変化を追跡したところ、学習を経験した群では対照群に比べて、増大したスパインの比率がより大きかった。さらに、新規に開発されたシナプスプローブAS-PaRac1を用いて、学習直後に新生・増大したスパインだけを標識し、これらを特異的に光遺伝学的手法により縮退させたところ、翌日の記憶テストの成績が低下した。一連の研究から、「トップダウン入力を受けやすい5層錐体細胞の樹状突起は、学習直後のノンレム睡眠時に樹状突起スパイクを発生させ、スパインの形成や増大などの可塑性を誘導することで、最終的に記憶が固定化する」という背景メカニズムを示唆する結果が得られた。
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