研究課題/領域番号 |
19K07296
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48020:生理学関連
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
鈴木 喜郎 岩手医科大学, 医学部, 准教授 (40348503)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | TRPチャネル / カルシウム恒常性 / 胎盤 / 新生児副甲状腺機能亢進症 / 母子間カルシウム輸送 / 新生児期副甲状腺機能亢進症 / ゲノム編集 / TRPV6 |
研究開始時の研究の概要 |
カルシウム(Ca2+)恒常性維持のために小腸、腎臓および胎盤におけるCa2+輸送が重要な役割を果たしている。骨粗鬆症や子宮内発育不全などの疾患の一因として上皮Ca2+輸送障害が考えられているが、輸送分子が同定されていないため研究が進んでいない。申請者は最近、骨形成不全を伴う新生児副甲状腺機能亢進症の原因遺伝子としてCa2+選択性上皮型チャネルであるTRPV6を同定し、胎盤Ca2+輸送障害に起因する新規疾患の概念を確立した。本研究はTRPV6遺伝子変異による骨形成不全を伴う新生児副甲状腺機能亢進症の分子メカニズムの解明を目的とする。さらにそのメカニズムに基づいた新規治療法の開発を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では新生児期副甲状腺機能亢進症の遺伝的因子として同定された新規TRPV6変異を解析することによって発症メカニズムを推定することができた。具体的には変異体がゴルジ体へ進めず小胞体に留まっていることを細胞レベルで明らかにした。このことからTRPV6遺伝子変異によって小胞体ストレスが生じ、同疾患を発症することが示唆された。また環境因子の1つである母体ビタミンD3欠乏が本疾患発症の危険因子であるという状況証拠を得ることができた。さらに当該変異に相当する変異を導入したノックインマウスを作成した。今後、上記の仮説を組織・個体レベルで証明し発症メカニズムの全貌を解明したい。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究によってカルシウム関連疾患の発症機序の一端が明らかになった。このことは同疾患の根治のための足がかりとなるとともに、疾患の迅速な診断および治療方針の決定に貢献する。また、将来的には母体ビタミンD3補充等によって同疾患の予防にもつながることが期待できる。さらに骨粗鬆症など他のカルシウム関連疾患や、カルシウム輸送障害が原因と思われていなかった他の疾患の原因解明にもつながる。
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