研究課題/領域番号 |
19K07300
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48020:生理学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
福島 章紘 名古屋大学, 医学系研究科, 助教 (60799782)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | オキシトシン / 視床下部室傍核 / 延髄縫線核 / 交感神経 / 褐色脂肪熱産生 |
研究開始時の研究の概要 |
視床下部は体温や血圧など基本的な身体内部状態の維持に加え,情動行動中枢としても機能している.本研究は,視床下部オキシトシンニューロンを活性化する上位中枢領域を単シナプス逆行性トレーシングにより同定し,これらの領域間シナプスの特性を電気生理学的手法および免疫組織化学的手法を用いて明らかにする.さらに覚醒行動下におけるオキシトシンニューロンの活動をインビボカルシウムイメージング法により観察することで,情動行動中に惹起される交感神経反応における視床下部オキシトシン神経系の役割を明らかにする.
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研究成果の概要 |
神経ペプチドのひとつであるオキシトシンには,エネルギー消費量を上げ,体温を上昇させる作用があることが知られていたが,どのような神経路を介しているかは明らかでなかった.本課題では,インビボラットの交感神経活動記録と,視床下部室傍核オキシトシンニューロン群選択的な光遺伝学的刺激を組み合わせることで,延髄縫線核へ投射するオキシトシン神経が,オキシトシン受容体を介して交感神経調節ニューロンを直接刺激して褐色脂肪組織における熱産生交感神経活動を促進することが明らかとなった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回の結果により,「延髄縫線核を介した交感神経活動の促進」というオキシトシンの新たな作用とその神経伝達経路が明らかになった.特に,オキシトシンが他の脳領域からの熱産生シグナルを増強することは,情動表出に伴う自律神経反応(心拍数や体温の上昇など)の神経メカニズムの研究への展開が期待される.また,オキシトシンの継続的な熱産生増強作用は全身のエネルギー消費量を長期的に増加させることから,肥満の防止に役立っているものと考えられる.本研究で得られた知見がプラダー・ウィリー症候群の肥満発症機序の解明や,肥満ならびに関連疾患の新たな治療法の開発につながることが期待される.
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