研究課題/領域番号 |
19K07319
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48030:薬理学関連
|
研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
酒井 大樹 山口大学, 大学院医学系研究科, 助教 (40464367)
|
研究分担者 |
乾 誠 山口大学, その他部局等, 名誉教授 (70223237)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 創傷治癒 / 表皮細胞 / 成長因子 / 神経栄養因子 / アンギオテンシンII / アンギオテンシン変換酵素 / ペプチド / 創傷治癒促進薬 / 質量分析 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、神経栄養因子サブスタンスP(或いはFGLM-NH2)と成長因子IGF-1(或いはSSSR)がどの様な分子メカニズムで表皮細胞の遊走促進や創傷治癒促進をもたらすかを解明する。そのために、表皮細胞を用いてSSSRとNK1受容体によるACE活性化メカニズムの検討や、SSSR標的分子の同定並びに関与するシグナル伝達系の解析を行う。さらに、マウスを用いて創傷治癒過程におけるSSSR標的分子の関与を解析し、細胞レベルで明らかにしたメカニズムが動物個体レベルの創傷治癒過程でも働いているかを検証する。
|
研究成果の概要 |
創傷の警告としての痛みは感覚神経によって感知されるため、感覚神経は創傷治癒の過程で重要な役割を担う可能性があるが、そのメカニズムはよくわかっていない。本研究では、成長因子のIGF-1またはそのCドメインに由来するテトラペプチド(SSSR)と、神経栄養因子のサブスタンスPまたはそのアミノ末端テトラペプチド(FGLM-NH2)の協調作用によりACEが切断・放出を介して活性化され、AngII産生量を増加させることにより表皮細胞の遊走並びに創傷治癒を促進することを明らかにした。また、SSSR標的分子を同定するツールとして、ニトロベンゾオキサジアソール(NBD)を導入したSSSRの合成に成功した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で明らかにした成長因子IGF-1と神経栄養因子サブスタンスPの協調作用による創傷治癒の促進メカニズムは、これまでに知られていない新たな病態生理学的機序の解明である。IGF-1がNK1受容体活性化の下でACE活性化を介して作用を発揮するというIGF受容体非依存性のメカニズムは、生物学的にも重要な意味を持つ可能性がある。また、SSSR標的分子を同定するツールとして合成に成功したNBD-SSSRは、SSSRの創傷治癒促進メカニズムの全容解明を可能にするだけでなく、そのメカニズムを基盤とした新たな創傷治癒促進薬の開発にも繋がる可能性がある。
|