研究課題/領域番号 |
19K07321
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48030:薬理学関連
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
石澤 有紀 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 准教授 (40610192)
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研究分担者 |
中馬 真幸 徳島大学, 病院, 特任助教 (20819289)
堀ノ内 裕也 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 助教 (30716593)
座間味 義人 岡山大学, 大学病院, 教授 (70550250)
武智 研志 徳島大学, 病院, 特任助教 (90793240)
合田 光寛 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 准教授 (40585965)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ERK5 / 血管内皮細胞 / がん / 内皮間葉転換 / 担がんモデルマウス / 医療ビッグデータ / 腫瘍血管 / 転移 |
研究開始時の研究の概要 |
人口の高齢化に伴いがん患者は年々増加している。新たな治療法が開発され予後が飛躍的に向上する一方で、がんの転移・再発の制御、予防を目的とした治療戦略は未だ確立していない。転移発症には血管内皮細胞が間葉系細胞の性質を獲得する「内皮間葉転換」が関与することが示唆されている。本研究ではその分子機構を明らかにするとともに、内皮間葉転換を標的とした新たながん転移予防戦略の開発を目指す。
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研究成果の概要 |
培養ヒト臍帯静脈内皮細胞において、TGF-β 刺激は内皮細胞マーカーであるCD31の発現を低下させたが、ERK5活性化剤であるピタバスタチンを処置した細胞ではTGF-βによるCD31の発現低下を認めなかった。血管内皮細胞特異的ERK5ヘテロ欠損マウス(ERK5EKO)を用いて担がんモデルを作成したところ、ERK5EKOではコントロールに比べ腫瘍の増大が緩徐であった。そこで遊離皮弁モデルを用いて血管新生への影響を検討したところ、ERK5EKOでは血管新生が促進され、皮弁の生着率が向上した。一連の結果から、ERK5活性化が内皮細胞としての性質の保持、血管新生の抑制に寄与する可能性が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、血管内皮細胞由来ERK5の腫瘍進展・転移における役割を解明することで、新たながん転移予防戦略の開発を目指している。これまでの研究成果から、ERK5が血管内皮細胞の内皮間葉転換を抑制し、内皮細胞としての性質維持に重要であること、また腫瘍組織等における血管新生抑制に関与する可能性が示唆された。このことから、血管内皮細胞におけるERK5を活性化することで、腫瘍の増大や転移を抑制し得ることが示された。ERK5を治療標的とした薬物探索に向けた医療情報データベース解析に着手しており、その基盤となる本成果の創出は、社会的意義の大きいものと言える。
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