研究課題/領域番号 |
19K07327
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48030:薬理学関連
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研究機関 | 山陽小野田市立山口東京理科大学 |
研究代表者 |
牛島 健太郎 山陽小野田市立山口東京理科大学, 薬学部, 教授 (70448843)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 時計遺伝子 / 膵臓がん / 治療抵抗性 / Bmal1 / 組織特異性 / がん細胞 / 組織得意性 |
研究開始時の研究の概要 |
画期的ながん治療薬が多く開発され、悪性腫瘍に対する治療成績は向上を続けている。しかし臓器別に見ると、膵臓がんの生存率の低さは未だに顕著であり、その対策が必要である。申請者は米国研究室との共同研究にて、時計遺伝子Bmal1の欠損が臓器特異的にオープンクロマチン領域を拡大させることの知見を得た。さらに、このBmal1欠損細胞は、化合物による細胞外刺激に対して耐性を示す傾向がある。本研究では、Bmal1欠損によるクロマチン構造変化に着目し、治療抵抗性がんの克服法の開発を目指す。
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研究成果の概要 |
時計遺伝子Bmal1をゲノム編集によりノックアウトした膵臓がん細胞 (MIA-BKO細胞)では、細胞接着関連分子群の発現量が増加していた。しかしながら、細胞増殖速度や細胞遊走能は対照の野生型細胞よりも小さい傾向であった。本研究の成果は、過去に報告されている膵臓腺がん細胞の成果と異なるものである。本研究で使用した膵臓がん細胞は細胞凝集を形成しやすいことから、幹細胞性が強い可能性がある。以上より、膵臓がん細胞であっても、時計遺伝子Bmal1の細胞悪性度に及ぼす影響は細胞によって正反対になることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
体内時計の破綻はがんの危険因子であることが指摘されている。しかしながら、時計遺伝子の欠損はがん細胞の悪性度を必ずしも高めるものではないことが、本研究により示された。さらに、時計遺伝子とがん細胞の関係には、時計遺伝子による従来の2次元的な転写調節ネットワークからでは理解できない、より高次元の遺伝子発現調節システムが寄与している可能性がある。 早期発見が難しい膵臓がんは進行性で切除不能であることが多く、膵臓がんの生存率の低さは未だに顕著である。今後、時計遺伝子による細胞内恒常性調節機構を空間的および細胞依存的に解明することで、この課題に対する対策の一助になると期待される。
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