研究課題/領域番号 |
19K07328
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48030:薬理学関連
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研究機関 | 高崎健康福祉大学 |
研究代表者 |
松岡 功 高崎健康福祉大学, 薬学部, 教授 (10145633)
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研究分担者 |
伊藤 政明 高崎健康福祉大学, 薬学部, 講師 (30438759)
吉田 一貴 高崎健康福祉大学, 薬学部, 助教 (70803154)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | マスト細胞 / プリン作動性シグナル / 脱顆粒反応 / 炎症性サイトカイン / P2X4受容体 / プロスタグランジンE2 / EP3受容体 / ATP / アレルギー反応 / イオンチャネル / アレルギー疾患 / ヒトiPS細胞 / IgE |
研究開始時の研究の概要 |
近年、花粉症や食物アレルギーなど国民病になりつつあるアレルギー性疾患の新たな治療薬の開発を指向して、体内に普遍的に存在する細胞外ATPがアレルギー反応で中心的役割を果たすマスト細胞をどのように活性化するか明らかにする。まずは、研究材料としてヒトiPS細胞から分化させたヒトのマスト細胞を用いて反応のメカニズムを検討し、マウスのアレルギー疾患モデルでATPが作用する受容体やそのシグナル伝達経路を標的にした新たな治療法の開発を試みる。
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研究成果の概要 |
本研究ではマスト細胞(MC)が媒介するアレルギー反応に及ぼすATPの作用を解析した。ATPは種類の異なる刺激によるMCの脱顆粒反応を著明に増大させ、遅発性アレルギー炎症に関与する炎症性サイトカインの産生も亢進させた。このATPの作用はイオンチャネル型P2X4受容体を欠損させると抑制された。生体内でも抗原による受動的アレルギー反応やPGE2による炎症性過敏応答がP2X4受容体の欠損により減弱した。また、P2X4受容体阻害薬は、ATPによるMCの過剰応答および生体内でのアレルギー反応を抑制した。以上の結果から、P2X4受容体はMCが媒介するアレルギー反応の新しい治療標的になると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
花粉症などマスト細胞の活性化により惹起されるアレルギー反応は、日本では2人に1人が罹患する国民病になっている。アレルギー反応は、マスト細胞の活性化に伴い、細胞内顆粒のヒスタミンなどの化学伝達物質が放出されて過分反応が惹起される。治療には抗ヒスタミン薬が用いられるが、ヒスタミン以外の顆粒成分による反応は抑制できず新しい治療戦略が求められている。今回見出したP2X4受容体を介したATPの作用は、本来は反応しない微量なアレルギー原因物質に対する応答を増大させるもので、この制御は新しいアレルギー疾患の治療薬開発に貢献すると期待される。
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