研究課題/領域番号 |
19K07335
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48030:薬理学関連
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
服部 文幸 関西医科大学, 医学部, 教授 (50398624)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | ヒトiPS細胞 / 心筋 / 成熟 / 心筋細胞 / 移植 |
研究開始時の研究の概要 |
ヒト誘導多能性幹細胞(iPS細胞)由来心筋細胞は、創薬活動へ革新をもたらす可能性がある。しかし、ヒトiPS細胞から分化させた心筋細胞を創薬応用するにあたり、最大の問題点の一つは、この成熟性が低いために、薬剤候補物質の安全および有効性の推定に限界が生じてしまうことである。申請者は、心臓再生医療を開発する中で、未熟性を改善する方法を探索した。この結果、発生期の非心筋細胞と未熟な心筋細胞が出会うことで、心筋細胞の成熟化スイッチがオンになる新知見を得た。本研究は、この成熟化シグナルとその作用機序を明らかにし、さらに、ヒトiPS細胞由来心筋細胞をより成熟した状態にする方法を確立する。
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研究成果の概要 |
ヒトiPS細胞由来心筋細胞の低い成熟性は実用の障害である。報告者は、心臓再生医療を開発する中で、特定の発生段階において心筋細胞の成熟スイッチがオンになる新知見を得た。本研究では、心筋細胞成熟スイッチの構成要素を明らかにしようと試みた。独自開発した方法を用い、成熟スイッチの一つが存在する発生時期の前後で心筋細胞、非心筋細胞を分取・精製し、これらの網羅的遺伝子発現比較解析を実施し、オリジナルの未熟マーカー、成熟マーカー遺伝子群を選定した。さらに、今回新規に見出した心筋成熟スイッチ候補因子群の単独添加した心筋細胞において遺伝子発現の変化を測定したところ、幾つかで成熟性を上昇させる効果が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ヒトiPS細胞から分化誘導した心筋細胞の成熟性が低いという事実は、これらを医療や創薬に応用するための大きな障害である。そのため、これを改善することは、医療の向上や創薬の効率化に繋がる。また、ヒトの発生において心筋細胞が分化し、その後成熟して行く過程に、どのような刺激や環境が重要であるのかを明らかにすることは、発生学的な意義がある。従来知識では、継続的に心筋細胞をトレーニングするような刺激が重要とされてきたが、報告者は、発生期における一過性の刺激が成熟化スイッチのような役割を担っていることを示唆し、この一端を解明した。
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