研究課題/領域番号 |
19K07336
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48030:薬理学関連
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研究機関 | 岡山理科大学 |
研究代表者 |
尾崎 博 岡山理科大学, 獣医学部, 教授 (30134505)
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研究分担者 |
水野 理介 岡山理科大学, 獣医学部, 教授 (30273080)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | リンパ管 / 血管 / 内皮細胞 / 平滑筋細胞 / 高血圧 / 炎症 / 平滑筋 / 内皮 / 菌体毒素 / ストレプトコッカス / 炎症応答 / 一酸化窒素 / 炎症反応 / 収縮機能 / 病態モデル |
研究開始時の研究の概要 |
脊椎動物において「リンパ系」とはリンパ液を運搬する導管ネットワークであり、様々な組織に密に分布している。血液の液性成分は組織(間質)に漏れ出し、組織液となってリンパ管に流れ込んで排液の役目(老廃物の除去)を果たす。しかもこの導管は免疫中枢であるリンパ節へと続いている。本研究では、「リンパ管を構築する細胞(内皮細胞、平滑筋細胞)は、炎症時に自らがフェノタイプ変換して炎症活性を持つようになる」という仮説を証明することを目的とする。申請者がこれまで得てきた知見を基に、本研究では間質構成要素として新たにリンパ系に着目し、間質における間葉系細胞の炎症応答の全貌を明らかにしたい。
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研究成果の概要 |
本研究は、リンパ管を構築する内皮細胞、平滑筋細胞が高血圧時(慢性炎症)にどの様に変化するかを明らかにすることを目的とした。結果、自然発症高血圧モデルラットの集合リンパ管において、アセチルコリンによる内皮依存性の弛緩反応は、正常ラットに比べて抑制されていること、この反応には活性酸素種の蓄積が原因となることを示した。応用研究として、SHRの血管を用いて、ストレプトコッカス由来の菌体毒素ストレプトリジンOが、PKCを介してeNOSの燐酸化を促進しeNOS活性を阻害して内皮機能を抑制することを見いだし、菌体毒素が高血圧発症の要因となるという新たな循環病態機構の存在を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在、リンパ管の機能が高血圧病態にどの様に関わるかは明らかにされていない。本研究は、リンパ管内皮細胞の機能異常が高血圧モデルで見られることを示した最初のレポートである。一方、高血圧症で見られる腸内フローラなど常在細菌の乱れが生体に及ぼす影響は、未だ明らかにされていない。本研究は、高血圧で増加するStreptococcus属の菌体毒素が血管収縮障害を引き起こす可能性を示唆したもので、高血圧病態の解明に向けた端緒となる。
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