研究課題/領域番号 |
19K07348
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48040:医化学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
坂元 一真 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (60612801)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 受容体型チロシンホスファターゼ / 軸索再生 / 近位依存性標識 / 基質 / タンパク質相互作用 / 受容体型チロシンフォスファターゼ / オートファジー / 質量分析 / リン酸化 / 近位依存性ビオチン標識法 / プロテオミクス / 脱リン酸化 |
研究開始時の研究の概要 |
受容体型チロシンフォスファターゼ(RPTP)ファミリーはおよそ20の分子からなる。それぞれ特異的なタンパク質のリン酸化チロシンを脱リン酸化し、その基質分子の活性を調節する、いわゆる分子スイッチとして働いている。特に神経系でその重要性が認識されており、研究代表者は、PTPRσと呼ばれるRPTPの基質としてCortactinを同定し、これが軸索再生阻害に繋がることを示した。しかし一般に、RPTPの基質分子の多くが未だ不明のため、創薬などの標的となるには心もとない。 本研究では、近位依存性ビオチン標識法を基盤に、RPTPの基質分子を網羅的に同定する手法の確立を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、受容体型チロシンホスファターゼ(RPTP)の基質を網羅的に同定する手法の確立を目指した。特にRPTPファミリーの一つであり中枢神経軸索再生の阻害に関与するPTPσを題材に近位依存性標識を用いて、この相互作用分子を同定した。この結果、約100のタンパク質がPTPσ相互作用分子として同定できた。このリストには既報にある分子も含まれていた。さらにこの中から軸索の伸長に関わる分子についてそのチロシンリン酸化とPTPσによる脱リン酸化を確認した。この結果から近位依存性標識法がRPTPの基質同定に有力な手法であることが期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近位依存性標識法を用いることにより、これまでに困難であったRPTPの基質同定を簡便に行うことができることを示した。既知分子も再現性よくフォローされており、本手法は信頼性も十分に担保されている。これまでにRPTPは神経疾患やがん、炎症性疾患や代謝性疾患に関与していることが報告されている。ヒト疾患において標的とするには、基質分子の不明瞭さが律速段階になっていたが、本手法の利用により、RPTPのバイオロジーの理解につながることが期待できる。
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