研究課題/領域番号 |
19K07359
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48040:医化学関連
|
研究機関 | 安田女子大学 |
研究代表者 |
赤木 玲子 安田女子大学, 薬学部, 教授 (50150967)
|
研究分担者 |
宮本 崇史 筑波大学, 医学医療系, 助教 (50740346)
井上 幸江 山陽小野田市立山口東京理科大学, 薬学部, 教授 (60159978)
北澤 健生 安田女子大学, 薬学部, 准教授 (70791490)
久保 貴紀 安田女子大学, 薬学部, 准教授 (90435751)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | タイトジャンクション / バリア障害 / 遊離ヘム / ヘムオキシゲナーゼ-1 (HO-1) / 一酸化炭素(CO) / HSF1 / NRF2 / 一酸化炭素 / ヘムオキシゲナーゼ-1 / 消化管上皮バリア機能 / ヘムオキシゲナーゼ |
研究開始時の研究の概要 |
敗血症を誘発する各種炎症性腸疾患で見られる腸管出血が腸管上皮細胞のバリア機能へ及ぼす影響は不明だった。申請者はヒト結腸癌由来培養細胞を用いて、遊離ヘム濃度の増加がバリア機能の崩壊を起こすこと、さらにこの障害はヘム分解酵素の発現誘導によって抑制できることを明らかにしたが、ヘムによるバリア機能障害のメカニズムは不明である。本研究では、ヘムが様々なタンパク質に結合し、構造や機能を変化させることに着目し、ヘム結合性バリア構成タンパク質複合体の同定と、遊離ヘムがバリア機能障害を引き起こす分子メカニズムを解明することで、各種炎症性腸疾患誘発性敗血症の治療薬開発を目指した情報基盤を構築する。
|
研究成果の概要 |
消化管の出血に起因する遊離ヘム濃度の上昇がもたらすバリア障害の発症機序とそれに対する誘導型ヘム分解系律速酵素ヘムオキシゲナーゼ(HO)-1の役割を、ヒト結腸癌細胞Caco-2を用いた敗血症モデルを作成して解明した。ヘムにより誘導合成されるHO-1は細胞内遊離ヘムを分解することによりバリア機能回復に寄与することをHO-1をノックアウトしたCaco-2を作成して証明した。さらに、HOの反応生成物であるCOはバリア障害からの回復を促す可能性が示唆された。ビリルビンは、HO反応の最終生成物であり、内因性の抗酸化物質として消化管保護作用を示す。以上の情報を盛り込んで総説論文にまとめた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
敗血症は全身性炎症性反応症候群に分類され、重篤な消化管の障害はバリア機能低下により増悪化をもたらす。私たちは、敗血症腸管の出血部位において、赤血球崩壊に伴う局所的遊離ヘム濃度上昇がバリア機能を障害することを見出した。そのような状況では、ヘム分解酵素であるヘムオキシゲナーゼ‐1(HO-1)が誘導合成されるが、HOを阻害するとバリア障害が増悪化し、HO-1欠損はヘムによる細胞死を誘因することから、HO-1がバリア保護的に機能していることが分かった。HO-1を誘導することにより敗血症等の消化管出血を伴う疾病の新規治療法の開発に有用な研究結果と考えている。
|