研究課題/領域番号 |
19K07363
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48040:医化学関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
福田 七穂 新潟大学, 脳研究所, 講師 (00415283)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | RNA結合タンパク質 / 転写後制御 / mRNA局所翻訳 / 神経細胞接着因子 / 神経細胞 / 嗅神経細胞 / mRNA局在化 / ノックアウトマウス |
研究開始時の研究の概要 |
特定のタンパク質を適切な時期や場所に発現させる転写後制御の1つに「mRNAの局在化」 がある。神経細胞におけるmRNAの局在化は、軸索伸長やシナプス可塑性を担うと予想され、 神経変性疾患にも関与するため、その機構や生理機能の解明が望まれている。研究代表者は、 嗅覚神経細胞に高発現するmRNA局在化因子を同定した。また、その欠損マウスでは、嗅神経細胞の軸索形態異常や細胞死が高頻度で生じることを発見した。本研究では、mRNA局在化因子のターゲットmRNAの探索や、mRNA局在化因子欠損マウスの表現型解析を行い、mRNAの発現制御が嗅神経細胞の形成や維持、個体の匂い受容に果たす役割を解明する。
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研究成果の概要 |
神経細胞では、軸索や樹状突起に特定のmRNAが局在化しており、環境変化に応じて局所的なタンパク質合成が行われる。こうしたmRNA翻訳の時空間的な制御は、軸索伸長やシナプス可塑性を担い、神経変性疾患にも関与するため、その機構や生理機能の解明が望まれている。 本研究では、RNA結合タンパク質 Hnrnpabが、神経形成期の嗅神経細胞に高発現しており、軸索投射に関わるmRNA群に結合していることを明らかにした。また、Hnrnpab欠損マウスでは、ターゲット遺伝子の発現が糸球体 (軸索末端) において低下しており、成熟な嗅神経細胞数の減少と、軸索投射様式の異常が生じることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
mRNA局所翻訳は神経細胞の形成や機能に必要不可欠であることが認識されつつあるが、その制御を担う因子の同定や機能解析はまだあまり進んでいない。 本研究により、嗅神経細胞で軸索投射に関わるmRNA群に結合するRNA結合タンパク質が初めて同定され、嗅神経回路形成におけるmRNA制御の重要性が示された。昨年、神経発達症にHnrnpab遺伝子の変異が報告された。従って、本研究成果は他の神経細胞におけるmRNA制御機構や、神経発達症の理解にも貢献すると考えられる。
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