研究課題/領域番号 |
19K07371
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48040:医化学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
山中 邦俊 熊本大学, 発生医学研究所, 准教授 (90212290)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | AAAシャペロン / 線虫 / 寿命 / CDC-48 / PTEN / 分子シャペロン |
研究開始時の研究の概要 |
CDC-48は、極めて多岐にわたる機能に関わるAAA型シャペロンである。Nドメイン結合アダプターがそれぞれに特異的な基質を認識し、C末端結合アダプターがそれらをどのように処理するかを規定している。最近、Nドメイン結合アダプターASPS-1が線虫の寿命制御に関わり、CDC-48量の低下にともなってASPS-1の重要性が増すことを見出した。本研究では、ASPS-1がCDC-48のデフォルト化(解体および再会合)に関わり、その過程で生じるヘテロ4量体が糖輸送・利用に関与しているという仮説を検証する。同時に、ASPS-1を基盤とした糖尿病の新規線虫モデルの確立も目ざす。
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研究成果の概要 |
線虫ASPS-1はCDC-48とin vivo, in vitroともに相互作用していることを確認したが、ヘテロ4量体形成は観察されなかった。ASPS-1欠損株は長寿命であるが、DAF-18 (PTENホモログ) 欠損、もしくはPDZドメインタンパク質MPZ-1欠損を導入することにより長寿命性が抑制された。この結果は、ASPS-1が基質を捕捉するのに足場タンパク質であるPDZドメインタンパク質を利用していることを示唆している。ASPS-1欠損株では、匂い物質ジアセチルに対する走化性が消失すること、ARR-1欠損変異を導入すると走化性が回復することも新たに見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回明らかにした寿命との関連、細胞増殖制御因子PTENとの相互作用ならびに匂い感知経路との関連などは、いまだに報告されたことがない極めてユニークかつ重要な機能である。p97の発現(活性)とがんの予後との関連性が報告されている。ASPS-1と相互作用するDAF-18/PTENは、細胞増殖を制御する極めて重要な因子である。CDC-48は、ALSやIBMPFDなどのヒト遺伝性疾患の原因因子でもある。これらを総合すると、CDC-48をベースにした種々のヒト疾患の診断・予防・治療戦略の確立や創薬研究の基盤となることが大いに期待される。
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