研究課題/領域番号 |
19K07376
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48040:医化学関連
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研究機関 | 大阪医科薬科大学 |
研究代表者 |
福井 健二 大阪医科薬科大学, 医学部, 助教 (00466038)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | ミスマッチ修復 / MutL / X線結晶構造解析 / DNA修復 / 亜鉛 / カドミウム / DNAミスマッチ修復 / リンチ症候群 / PMS2 / MLH1 / タンパク質 |
研究開始時の研究の概要 |
DNAミスマッチ修復系関連因子の機能異常は、主要な遺伝性腫瘍症候群のひとつであるリンチ症候群の原因となる。ミスマッチ修復系で中心的な役割を果たすMutLタンパク質の立体構造および機能を明らかにすることで、mutL遺伝子上の変異がリンチ症候群発症に繋がる分子メカニズムを明らかにし、リンチ症候群の診断基準の構築に貢献する。また、MutL阻害薬は免疫チェックポイント阻害薬のアジュバントとなる可能性が指摘されている。そのため、MutLタンパク質の立体構造解析によって創薬のための基盤を構築することを目指す。
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研究成果の概要 |
DNAミスマッチ修復系で中心的な役割を果たすMutLタンパク質の構造機能解析を行った。MutLはATPを加水分解することで構造変化し、DNAを切断するが、ATP加水分解とDNA切断の触媒機構は不明であった。本研究では、MutLのATPaseドメインのフリー・ADP結合型・ATP結合型の立体構造をX線結晶構造解析により明らかにし、また、多様な部位特異的変異体の作製とそれらの活性測定結果より、ATP加水分解のメカニズムを明らかにした。また、MutLのDNaseドメインについても、亜鉛・カドミウム・マンガン結合型の高分解能の構造をX線結晶構造解析により決定し、DNA切断の触媒機構を解明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
MutL遺伝子におけるミスセンス変異はリンチ症候群の原因となり得る。しかし、病的な変異と中立な変異を区別する基準が不足していることが問題となっていた。今回、MutLのATPase活性とDNA切断活性の触媒メカニズム、つまりこれらの活性に必須の残基を明らかにしたことは、MutL遺伝子ミスセンス変異の病原性の判断に大きく貢献すると期待される。また、触媒メカニズムが明らかになったことで、ミスマッチ修復系を阻害する薬剤の開発が可能となった。
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