研究課題/領域番号 |
19K07385
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49010:病態医化学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
村田 陽二 神戸大学, 医学研究科, 准教授 (60400735)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | がん免疫監視 / がん微小環境 / 細胞間シグナル / マクロファージ / 膜型分子 / 自然免疫系細胞 / 免疫チェックポイント |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題では、マクロファージ、樹状細胞、NK細胞などの自然免疫系細胞による生体内からのがん細胞の排除(がん免疫監視)をがん細胞が如何にして回避するかについて解析を行う。特に、がん細胞と自然免疫系細胞間での細胞間のコミュニケーションを直接担う分子に着目し、培養細胞、遺伝子組換えマウスなどを用い詳細な解析を行うことで、がん細胞による自然免疫系細胞からの免疫監視の回避機構の解明を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、膜型分子SIRPαががん細胞に対するマクロファージの貪食作用のみならず、マクロファージによるがん細胞排除に関わるサイトカインの産生を抑制的に制御することを見出した。また、SIRPαに特異的に作用する新規のSIRPα結合ペプチドが、がん抗原を認識する抗体医薬の抗腫瘍効果を増強する活性を持つことを示した。さらに、膜型分子SIRPαとSIRPβのいずれにも作用する抗体を用いた解析から、SIRPβががん細胞に対するマクロファージの細胞傷害活性を促進的に制御する分子として機能し、また、腫瘍モデルマウスにおいてSIRPβに作用する抗体が抗腫瘍効果を発揮する可能性を見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、膜型分子SIRPαがマクロファージのがん細胞に対する殺細胞効果を抑制的に制御する一方で、膜型分子SIRPβが促進的に制御することを示し、SIRPαとSIRPβを介したマクロファージによる新たながん免疫監視とその作用機構の一端を明らかにした。さらに、膜型分子SIRPαに作用するペプチド、また膜型分子SIRPβに作用する抗体が、新たながんの治療薬として利用できる可能性を示した。
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