研究課題/領域番号 |
19K07390
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49010:病態医化学関連
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
森 一憲 昭和大学, 薬学部, 講師 (60349040)
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研究分担者 |
柴沼 質子 昭和大学, 薬学部, 教授 (60245876)
石川 文博 昭和大学, 薬学部, 講師 (60515667)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | ミトコンドリア呼吸鎖 / サイクリン依存性キナーゼ阻害因子p21Cip1 / NAD+ / エネルギー代謝 / ミトコンドリア電子伝達系 / ミトコンドリア / 電子伝達系 / p21cip1 |
研究開始時の研究の概要 |
活発に増殖する癌細胞は、大量のエネルギーと生体高分子を得るために、正常細胞とは異なる代謝様式をとっている。本課題ではミトコンドリアの呼吸鎖複合体I酵素から供給されるNAD+を感知して細胞増殖を制御する新奇の機構を明らかにする。この制御機構は、ミトコンドリアから核へ伝達される応答機構として、エネルギー代謝と細胞増殖の共役に重要な意義を持つ。当該機構を人為的に操作することで癌細胞の増殖を停止させることを試みる。呼吸鎖を標的とする治療戦略は、臓器横断的に広く適応できることが期待される。
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研究成果の概要 |
本課題では、癌細胞における呼吸鎖機能と増殖能の関連性について検討し、呼吸鎖複合体Iから供給されるNAD+により細胞周期抑制因子p21Cip1の遺伝子発現が抑制されることを見出した。さらに、その制御機構として、NAD+依存性脱アセチル化酵素SIRT6によるヒストンのアセチル化修飾が関与することを見出した。本機構は、エネルギー代謝と細胞増殖の共役に意義を持つと考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
活発に増殖する癌細胞は、正常細胞とは異なる代謝様式をとっており、このような癌特異な代謝様式は、有用性の高い新たな創薬標的として期待されている。本研究では、エネルギー代謝と細胞増殖を共役させる機構として、ミトコンドリア呼吸鎖複合体Iの機能が、NAD+を介して増殖を制御することを明らかにした。また、本機構による増殖制御は、臓器やサブタイプが異なる癌細胞でも確認できた。癌細胞の代謝様式の変化は、活発な増殖能が基盤となっていることから、臓器特異性は低く、その臨床応用においては、臓器横断的な治療法への貢献が期待できる。
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