研究課題/領域番号 |
19K07392
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49010:病態医化学関連
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研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 |
研究代表者 |
佐藤 政秋 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教 (90463801)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | バイオマーカー / 顕微鏡的多発血管炎 |
研究開始時の研究の概要 |
顕微鏡的多発血管炎(MPA)は、毛細血管や細動静脈に壊死性血管炎を来す全身性の難治性疾患である。MPAの病因・病態は未だ不明であり、疾患特異的なバイオマーカーや根治療法は確立されていない。 MPA患者の血清ペプチドの網羅的解析から発見された、アポリポ蛋白A-IのC末端13アミノ酸残基からなるペプチド(AC13)は、活動期のMPA患者血清で特異的に上昇するバイオマーカーの候補である。 本研究では、血清AC13の質量分析またはELISAによる定量系を構築し、臨床検査としての使用を目指し、AC13をMPAのバイオマーカーとして確立することを目的とする。
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研究成果の概要 |
活動期の顕微鏡的多発血管炎(MPA)患者の血清で増加するアポリポ蛋白A-IのC末端13アミノ酸残基のペプチド・AC13について、内部標準を用いた質量分析による濃度定量系を構築した。MPAの血清AC13濃度は、多発血管炎性肉芽腫症、関節リウマチ及び健常に比し有意に高値を示した。定量した血清AC13濃度はCRPと有意な強い正の相関を示し、AC13のMPA炎症病態への関与が考えられた。また、血清AC13濃度のcompetitive ELISA測定を目的として、抗AC13モノクローナル抗体を作製した。本研究で構築したAC13定量系は、MPAを近縁疾患から鑑別可能な臨床検査法となることが期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
AC13は、MPAを近縁疾患から鑑別できる初の血液バイオマーカーとなる可能性が高い。本研究で構築した定量系は、症候の有無や医師の判断の差に関わらない均一な診断を可能とするため、有用な臨床検査項目となり得る。本研究で定量した血清AC13濃度はCRPと強い正の相関を示したため、血清AC13濃度が高い患者では炎症性サイトカインの産生亢進による炎症促進や、アポリポ蛋白A-I切断酵素が炎症時に活性化していることが示唆される。AC13はMPAのバイオマーカーとなるだけでなく、アポリポ蛋白A-I切断酵素やAC13シグナル伝達経路を同定することにより、MPAにおける治療標的となる可能性がある。
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