研究課題/領域番号 |
19K07395
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49010:病態医化学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
田口 恵子 東北大学, 医学系研究科, 准教授 (20466527)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | Nrf2 / 食道 / がん / 細胞競合 / Keap1 / 食道がん |
研究開始時の研究の概要 |
網羅的なヒト腫瘍の遺伝子解析から、既知のがん(抑制)遺伝子の変異に加えて、NRF2や関連因子遺伝子の変異が見出されている。興味深いことに、NRF2遺伝子変異は扁平上皮がんに集中しており、腺がんでは頻度が低い。これらの変異は転写因子であるNRF2を恒常的に活性化させて、腫瘍の悪性化に寄与する。本研究では、後天的にNRF2を欠失あるいは活性化させる新しい動物モデルを作製して、食道の発がん過程におけるNRF2活性化の果たす意義を解明する。新たに作出する動物モデルを活用して、食道がんの進展におけるNRF2の関与と機能貢献を調べ、今後の食道がん治療へ繋がるような分子メカニズムを提案する。
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研究成果の概要 |
食道上皮細胞においてNrf2の発現が後天的に変動するモデルマウスを作製して、化学発がん剤による食道発がんの進展にNrf2がどのように働くかを調べた。食道上皮組織における部分的なKeap1欠失細胞の出現は、Keap1発現細胞にDNA損傷を与え、発がんの促進に寄与した。本研究は、食道扁平上皮がんの約30%を占めると言われているNrf2活性化がんの形成の理解に役立つ成果になると期待できる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
Nrf2活性化がんは、食道がんのみならず様々な癌腫で見つかっており、がん形成におけるNrf2の貢献は興味深いテーマである。Nrf2活性化を賦与した細胞からはがんは形成されず、むしろ組織から排除される細胞競合が観察された。本研究から、Nrf2の活性化自体は細胞のがん化には寄与しないことが明らかになった。Nrf2の活性化はがん形成の過程で獲得されて、がん細胞の生存に働くことが考えられた。
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