研究課題/領域番号 |
19K07409
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49010:病態医化学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター |
研究代表者 |
渡邉 研 (渡辺 研) 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 研究所 運動器疾患研究部, 部長 (10342966)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 変形性関節症 / モデルマウス / Osteoarthritis / Ferroptosis / Genetics / WGS / ゲノム解析 / フェロトーシス / ゲノム |
研究開始時の研究の概要 |
変形性関節症は最も罹患者の多い加齢性の運動器疾患であり、介護要因の一つである。これまでに、障害誘導性のモデルマウスやヒト集団を用いた分子遺伝学的アプローチにより、病因論につながる分子やパスウェイが提案されてきたが、手術による治療法以外にエビデンスで支持された治療法は非常に限られており、また疾患修飾薬もない。申請者らは世界でも珍しい遅発性の変形性関節症自然発症マウスの遺伝素因の解析から、新たな分子の活性消失型変異を発見した。この分子の変異が軟骨変性に関わると考え、培養細胞とマウスを用いた実験により、仮説を検証し、変形性関節症の新たな病理を明らかにする。
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研究成果の概要 |
マウスの変形性関節症自然発症モデルの遺伝解析およびゲノム解析から、新たなトランスポーター遺伝子のミスセンス変異を同定し、その変異は、IL-1β依存的な細胞死に対して感受性を高めること、またその細胞死は今まで記述されてきたアポトーシスとは異なりフェロトーシスであることを阻害剤や遺伝子発現変化から明らかにした。このトランスポーター遺伝子が新しいフェロトーシス関連遺伝子であることとともに、さらにフェロトーシス阻害剤で外科的関節症モデルでの発症を抑制したことから、変形性関節症の発症にフェロトーシスが関与している可能性を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
変形性関節症は有訴者だけでも国内に推定1千万人を超える国民病である。しかしながら、症状が進んだ場合、手術以外にエビデンスで支持される治療法がなく、承認された疾患修飾薬もない。その中で、新しいフェロトーシス関連遺伝子を同定し、診断や治療への基盤となりうる新たに発症病理に関する細胞死現象としてフェロトーシスの関与を見出した。フェロトーシスは鉄過剰やセレン欠乏で誘導され、ビタミンKで抑制される。これらはこれまで知られている変形性関節症の発症またリスクと整合する。
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