研究課題/領域番号 |
19K07417
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49020:人体病理学関連
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
阿萬 紫 宮崎大学, 医学部, プロジェクト研究員 (50444790)
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研究分担者 |
佐藤 勇一郎 宮崎大学, 医学部, 准教授 (90347055)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | placenta accreta / 癒着胎盤 / プロテアーゼ活性化受容体 |
研究開始時の研究の概要 |
周産期管理が進歩した現在でも、産科危機的出血は妊産婦の死亡原因のトップを占めており、原因の一つに癒着胎盤があげられます。しかし癒着胎盤の発症機序は未だ解明されていません。プロテアーゼ活性化受容体(PARs)は、正常組織や腫瘍細胞において細胞増殖能・浸潤能、細胞死などの多くの生理機能を有しています。申請者らは、子宮や血管の平滑筋、卵巣癌などにおけるPARsの様々な生理作用に注目し研究を進めてきました。 本研究では、癒着胎盤の病理組織標本や培養細胞などを用いて、絨毛細胞の増殖・浸潤能、平滑筋細胞の細胞死や脱落膜分化におけるPARsの作用を明らかにし、癒着胎盤の発生機序を解明することを目的とします。
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研究成果の概要 |
本研究では病理組織標本を用いて、癒着胎盤の組織学的特徴と臨床病理学的因子との関連性、およびプロテアーゼ活性化受容体や血液凝固に関する因子の発現について検討した。癒着胎盤症例では正常群に比べ出血が有意に多かった。真性癒着胎盤においては、正常群や嵌入、穿通胎盤に比べ、人工授精による妊娠症例が有意に多かった。また、嵌入胎盤、穿通胎盤ではほとんどの症例で帝王切開や筋腫核出の既往が確認された。免疫染色においては、プロテアーゼ活性化受容体や血液凝固に関する因子の発現において正常と癒着胎盤の間に有意差がみられ、癒着胎盤の病態にこれらの因子が関わっていることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
癒着胎盤は産科危機的出血の原因となる。しかしその発症機序は解明されておらず、多症例を対象とした病理学的検討は数少ない。本研究では病理組織標本を用いることで組織所見と臨床病理学的因子の関連性について詳細な検討を行うことができた。また今回検討を行ったプロテアーゼ活性化受容体は、細胞の増殖や浸潤などの生理活性を示しその発現や機能は多くの組織や腫瘍細胞で証明されているが、ヒトの胎盤での詳細な病理学的検討はなされていない。本研究では、プロテアーゼ活性化受容体や血液凝固に関する因子の発現において正常と癒着胎盤の間に有意差がみられ、癒着胎盤の病態にこれらの因子が関わっている可能性が示唆された。
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