研究課題
基盤研究(C)
胃癌は加齢とともに発生率が急増する代表的ながんであり、病理学的に高齢者胃癌は若年者とは異なる病態を示す。本研究では高齢者で相対的に急増するマイクロサテライト不安定性経路による胃癌に焦点をあて、高齢者胃癌の発癌機序、臨床病理像、遺伝子異常を明らかにするとともに、最近注目されている免疫チェックポイント阻害剤の高齢者胃癌への適応について検討する。また、高齢者では悪性腫瘍による凝固系異常が発症しやすいので、その合併症対策も含め新しい治療戦略に寄与することを目的とする。
80歳以上の高齢者の臨床病理学的特徴を明らかにする目的で胃癌336例を検討した.高齢者胃癌にみられる幽門部発生,隆起型,分化型癌,多発癌の増加,低リンパ節転移といった特徴が80歳以上ではより明瞭になる傾向がみられた.また,高齢者胃癌のうち乳頭腺癌の分子病理学的特徴ならびに免疫チェックポイント阻害薬の適応を明らかにする目的で40例を解析した.乳頭腺癌ではマイクロサテライト不安定性(MSI)は43%にみられた.MSIに分類される乳頭腺癌では女性,下部発生,低分化腺癌成分の混在,早期癌比率と関連がみられた.PD-L1発現陽性率は63%であり,MSI症例に陽性率が高かった.
胃癌発生は減少傾向にあるとは言え,高齢者においてはまだ重要な疾患である.高齢者胃癌の臨床病理学的および分子病理学的特徴を明らかにすることにより,高齢者胃癌の病態および病因の解明に寄与することができる点に学術的意義がある.また社会的には,学術的なエビデンスに基づき,高齢者胃癌の病態に対応する低侵襲な治療法の選択肢を提示することができる.
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