研究課題/領域番号 |
19K07429
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49020:人体病理学関連
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研究機関 | 東京都立駒込病院(臨床研究室) |
研究代表者 |
元井 亨 東京都立駒込病院(臨床研究室), 病理科, 医長 (50291315)
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研究分担者 |
山田 倫 東京都立駒込病院(臨床研究室), 病理科, その他 (90812818)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 肉腫 / 染色体不安定性 / 微小核 / cGAS / STING / オートファジー / Sting / 骨軟部肉腫 / 病理診断 |
研究開始時の研究の概要 |
複雑核型を示す成人軟部肉腫の実際の病理診断に応用可能なマーカーの確立を目指して、研究を進める。微小核の免疫組織化学的マーカーを確立し、複雑核型を示す成人軟部肉腫群と単純核型で融合遺伝子を有する肉腫群を比較しながら微小核の出現状態とcGASやSTINGの発現状態、細胞増殖能を統合的に解析し、腫瘍群、組織型間の相違点を明らかにする。また化学療法前後の変化や転移巣と原発巣の比較により成人軟部肉腫における染色体不安定性、微小核、cGAS-STING経路の相互関係を知り、微小核及び細胞内DNA関連分子の診断・予後マーカーとしての有用性について考察する。
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研究成果の概要 |
複雑な染色体異常を有する軟部肉腫は高齢者に好発し、予後不良な肉腫群であり、染色体不安定性(CIN)を特徴としている。cGAS-STING経路は細胞質内DNA感知システムであり、免疫応答に関与する。CINに起因する染色体分配異常は微小核生じさせ、cGAS-STING経路を活性化を介して転移、浸潤、オートファジーを誘導することが近年明らかになった。本研究では肉腫の微小核の状態やcGAS-STING経路との関係を解析した。その結果cGASは一部の微小核の検出マーカーとなること、放射線照射によりcGAS染色陽性微小核の増加や性質の変化があることを示した。また微小核オートファジー機構の障害が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
希少がんの一種である肉腫の中には高齢者に多く、悪性度の高いグループがあり、染色体が不安定性を特徴とする。このグループは他の腫瘍に比べて診断、予後推定、治療法の開発が進んでおらず新たなアプローチでの研究開発が必要である。染色体が不安定になると細胞分裂時に染色体の分配異常が起こり、余分な小核(微小核)ができる。小核が壊れると細胞質内にDNAが漏れ出し、細胞質内DNA感知システムであるcGAS-STING経路が作動し、免疫応答や腫瘍の浸潤、転移、自食現象(オートファジー)が誘導される。本研究では微小核の性質や数、cGAS-STING経路、自食現象に注目し、新たなな視点から肉腫を解析している。
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