研究課題/領域番号 |
19K07449
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49020:人体病理学関連
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
笠井 謙次 愛知医科大学, 医学部, 教授 (70242857)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 乳癌 / トリプルネガティブ乳癌 / FAM64A / DNA修復機構 / トリプルネガティブ / 細胞周期 / クロマチン制御 |
研究開始時の研究の概要 |
トリプルネガティブ乳癌TNBCは悪性度が高く、化学療法でも十分には死亡率を改善できないとされている。一方TNBCはヘテロな集団であると考えられている。従ってTNBCに対する治療戦略策定には、TNBCの特性に深く関わる分子を同定すること、さらに当該分子を発現する治療対象症例を簡便に選別できることが重要であるが、これら条件を兼ね備えた分子は未だ明らかになっていない。 本研究ではFAM64A発現に伴う細胞増殖機構、特にDNA修復・複製機能の特性を解析し、併せてFAM64A陽性TNBCの臨床病理像を解明する。これによりTNBCにおけるFAM64A及びその結合する核内蛋白ネットワークに対する新規治療戦略策定のための基盤的知見を得ることを目的とする。
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研究成果の概要 |
FAM64A発現量は細胞周期G2/M期に増加していた。一方FAM64A陽性トリプルネガティブ乳癌(TNBC)症例と陰性TNBC症例で有意なKi-67 index差は無いことから、FAM64Aは単なる細胞周期因子ではなく細胞周期の一時期に核内蛋白への特異的作用を有する因子である可能性が考えられた。そこで強制発現系にてFAM64A結合蛋白を回収し質量分析した結果、SWI/SNF因子などが同定され、特異抗体を用いた二重染色では核内に共局在を呈した。以上から、FAM64AはFAM64A陽性TNBCにおいてDNA複製やDNA修復に関わる因子に作用し、TNBCの高い細胞増殖能を支えているものと推測された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では約47%のトリプルネガティブ乳癌(TNBC)に発現している核蛋白FAM64Aから見たTNBCの細胞増殖特性と新規治療戦略のための基盤的知見を得ることを目的とした。FAM64A高発現TNBC細胞株でsiRNA法によりFAM64Aを欠損させると、DNA損傷マーカーγH2AXが増加し細胞数が減少した。このことから、FAM64A高発現TNBCではFAM64Aが治療標的になり得ることが示唆された。
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