研究課題/領域番号 |
19K07452
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49020:人体病理学関連
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
小林 博也 旭川医科大学, 医学部, 教授 (90280867)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | HLA / ペプチド / T-cell / ビメンチン / リン酸化 / EMT / 大腸癌 / エピトープ / ビメンチN / T cell / 腫瘍免疫 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、難治再発転移癌に対する先進的な癌免疫療法を確立するために、癌の上皮間葉転換(epithelial-mesenchymal transition:EMT)関連分子を標的とした高い免疫原性を有する抗原ペプチドを探索し、癌治療における有用性を検討する。具体的には、EMT癌細胞で過剰発現されるEMT関連分子を標的とし、癌細胞を特異的に殺傷するT細胞を増殖させることが可能な抗原ペプチドを同定するとともに、難治再発転移癌患者においてEMT関連分子が免疫系の標的分子になりうるかを検討する。
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研究成果の概要 |
腫瘍が転移能を獲得する際の特徴の1つとして上皮間葉転換EMTが知られており、ビメンチンはEMTのバイオマーカーとして実臨床で用いられている。さらに、腫瘍が浸潤する際の前線invasion frontにおける細胞ストレスはビメンチンをリン酸化する。我々はリン酸化ビメンチン特異的な抗腫瘍効果を持つCD4陽性T細胞のクローン化に成功した。健常成人末梢血単核球から樹立されたT細胞はリン酸化エピトープペプチドのみに反応し、野生型配列のペプチドには反応しなかった。また大腸癌患者末梢血を用いリン酸化ビメンチンエピトープペプチドで刺激すると、末梢血内にペプチドに反応性を有する前駆細胞の存在が確認された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
再発転移癌の克服に向けたEMT関連分子特異的T細胞の活性化を基軸とした革新的次世代型癌ワクチン療法を確立するために、EMT関連分子であるビメンチンにおけるT細胞認識抗原ペプチドを探索しそれらの臨床学的有効性について明らかにするとともに大腸癌患者におけるリン酸化ビメンチンに対する免疫応答性について明らかにした。 癌が全身の諸臓器に多数再発転移している患者群では、既存の治療効果が乏しいことから、再発転移癌に対する有効かつ革新的な免疫療法の標的にEMT関連分子の一つであるビメンチンが、有望な癌抗原ペプチドワクチンの候補になりうると考えられた。
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