研究課題/領域番号 |
19K07453
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49020:人体病理学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
三木 康宏 東北大学, 災害科学国際研究所, 講師 (50451521)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 子宮内膜癌 / ストレス / 細胞老化 / 腫瘍免疫 / ホルモン / ミスマッチ修復因子 / T細胞 / コルチゾール / エストロゲン / KLF5 / アンドロゲン / ストレスホルモン / 子宮 |
研究開始時の研究の概要 |
通常のストレスで発生したコルチゾールは、子宮組織において11β-HSD2によって無害化されるが、過度あるいは持続するストレスによって、高コルチゾール状態が維持されると、11β-HSD2のダウン・レギュレーションが起こり、処理しきれなかったコルチゾールが上皮細胞の老化を引き起こすのではという仮説を立てた。コルチゾールの受容体を介した作用や、11β-HSD2による防御機構に関する情報はない。本研究ではコルチゾールの組織内代謝に着目した防御機構とその破綻に関する検討を子宮組織レベルで実施する。
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研究成果の概要 |
ストレスと発癌の関係については多くの研究から示唆されているが、必ずしも科学的にそのメカニズムが説明されているわけではない。本研究ではストレスによって発現が誘導されるコルチゾールに着目した。子宮内膜癌において腫瘍中のコルチゾール濃度は、疲弊Tリンパ球や癌細胞の細胞老化マーカーの発現に関係することを明らかにした。ストレスはコルチゾールを介して、細胞老化を引き起こすだけではなく腫瘍免疫にも関与し、微小環境全体に影響を及ぼすことが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究ではコルチゾールが癌細胞の細胞老化に関わることを明らかにした。これまでの癌とストレス研究と本研究が異なる点は、本研究ではヒト組織標本を用いて実際の腫瘍局所でのコルチゾールを評価していることであり、学術的に新しい観点である。また、癌細胞の細胞老化に加え、Tリンパ球にも着目し、疲弊Tリンパ球とコルチゾールとの関連を明らかにした。多くの癌で免疫療法の効果が認められているが、Tリンパ球の疲弊とPD-1の発現との関連も報告されており、今回の成果から、癌免疫療法と抗コルチゾール、さらには抗ホルモン療法という新たな治療戦略を提唱できるのではと考えている。
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