研究課題
基盤研究(C)
膵癌組織における発現及び各蛋白発現の組み合わせパターンを免疫組織化学的に評価する。引き続き同一膵癌患者の手術材料に関して同様の免疫組織化学的検討を行い、浸潤進達度・遠隔転移等の臨床病理学的諸因子との関連や、多変量解析による予後評価を行う。これら生検及び手術材料から得られた免疫組織化学的検討結果を比較することで、両者の高一致率を確認し、術前生検による癌関連蛋白発現結果をもちいた評価及び組織診断に基づき、術前及び術直後からの化学・放射線療法の選択適応性の有無を評価確立することで、膵癌術後治療方針決定にも応用可能な生検材料による病理診断の実現を目的とする。
超音波内視鏡下穿刺吸引法(Endoscopic Ultrasound-guided Fine Needle Aspiration:EUS-FNA)による材料を用いた膵癌における術前診断への実用化検討のため、手術適応にある膵癌患者のEUS-FNA生検材料を用い、膵癌関連遺伝子のPODXLとITGB1過剰発現を分子生物学的に検討し、その結果を基に膵癌組織における発現及び各蛋白発現の組み合わせパターンに対し疫組織化学的検討を行い、術前生検材料による遺伝子発現異常を手術材料と比較することで、浸潤進達度・遠隔転移等の臨床病理学的諸因子との関連や、多変量解析による予後評価を行うことが出来た。
現在膵癌は本邦癌死因の上位を占め、5年生存率も5%以下であり、代表的な予後不良悪性腫瘍の一つである。昨今EUS-FNAにおいて機器及び手技等の改良改革が進み、近年特にその穿刺針改良が施され、得られる検体も組織学的検討に適した質・量を満たす生検材料となり、これら生検及び手術材料から得られた免疫組織化学的検討結果を比較することで、両者の高一致率を確認し、術前生検による癌関連蛋白発現結果をもちいた評価及び組織診断に基づき、術前及び術直後からの化学・放射線療法の選択適応性の有無を評価確立することで、膵癌術後治療方針決定にも応用可能な生検材料による病理診断の可能性を示唆することが出来た。
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