研究課題/領域番号 |
19K07467
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49020:人体病理学関連
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
東 守洋 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (00323395)
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研究分担者 |
田丸 淳一 埼玉医科大学, 医学部, 客員教授 (30188429)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 悪性リンパ腫 / 細胞内脂肪滴 / LR11 / Lipid droplet / 細胞内脂質代謝 / lipid droplet |
研究開始時の研究の概要 |
がん細胞は、細胞内の代謝システムを自らの生存、増殖に有利なように改変している。 血液のがんのひとつである悪性リンパ腫には脂肪滴を有するものがある。しかし悪性リンパ腫においては脂質代謝関連分子の役割は不明である。細胞内脂肪滴を有する悪性リンパ腫はより悪性度が高いのか検討し、この脂肪滴や細胞内の脂質の代謝との関連を検討する。とくにLDL受容体の一つであるLR11を中心に研究を行う。本研究により悪性リンパ腫における脂質代謝経路を明らかにし、具体的な治療ターゲットを絞り込める可能性があると考える。さらに形態的な診断から脂質関連分子をターゲットした治療の対象患者を絞り込める可能性についても検討する。
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研究成果の概要 |
本研究では、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫 (DLBCL)におけるLR11発現と細胞内脂肪滴との関連、さらにLR11を中心とした脂質代謝について検討した。 脂肪滴が多く有するDLBCLおよびそのマーカーであるPLN1高発現DLBCLは予後不良であること、rituximabにも抵抗性であることを見出した。さらに培養細胞を用いた実験ではLR11は細胞膜のLipid raftに存在し、またCD20と共局在していることを見出した。以上のことから、LR11は1) 細胞内のLDLをlipid raftに輸送すること、2)LR11の存在下でrituximabの補体依存性細胞傷害を抑制する可能性が考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
リンパ腫においては古典的には細胞診時のメルクマールとされており、細胞診においては診断的意義を有している。しかしながらこれまでこの脂肪滴の役割はほとんど明らかになていなかった。本研究ではその機能的意義を明らかにした。 さらにLDL受容体であるLR11の発現と細胞内脂肪滴の関連について、明らかにした。このことにより臨床病理学的にLR11発現および細胞内脂肪滴と、予後を含めた臨床病理学的事項に関連があることを見出した。このことはLR11や脂質代謝関連分子が悪性リンパ腫の治療ターゲットとなりうる可能性示唆している。
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