研究課題/領域番号 |
19K07468
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49020:人体病理学関連
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構埼玉病院(臨床研究部) (2021-2022) 慶應義塾大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
三上 修治 独立行政法人国立病院機構埼玉病院(臨床研究部), 診療部, 病理診断部長 (20338180)
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研究分担者 |
水野 隆一 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 准教授 (60383824)
田中 伸之 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (60445244)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 腎細胞癌 / 分子標的薬 / 免疫チェックポイント阻害 / 薬剤耐性 / 分子標的治療 / 免疫微小環境 / カボサンチニブ / がん微小環境 / 免疫チェックポイント分子 / VEGF / 治療抵抗性 / PD-1 / PD-L1 / 免疫チェックポイント阻害剤 / 微小環境 / コンパニオン診断 |
研究開始時の研究の概要 |
進行腎細胞癌治療のオプションにTKI, mTOR阻害薬に加え、免疫チェックポイント薬剤が加わったことにより、研究の趨勢はどの薬剤をどのような順序でどのように投与するかという治療シークエンス、より強い抗腫瘍効果を求めての併用療法に関心が移っている。腎細胞癌の薬剤耐性機序の解明には分子標的薬による癌微小環境再構築を総合的に分析する必要がある。このテーマの解決には未治療・治療後腎癌組織の系統的な解析が必須であり、本研究は診断から外科治療そして薬物治療を行っている泌尿器科医と泌尿器科病理を専門とする病理医が行うため、エビデンス構築やコンパニオン診断確立につながる成果が期待される。
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研究成果の概要 |
本研究課題では近年、進行性腎細胞癌の薬物治療に取り入られた新規分子標的薬であるカボサンチニブの作用機序の分子病理学的検討を行った。カボザンチニブはVEGFRに加え、AXL, GAS6, c-METを阻害することで治療効果を発揮すると考えられるが、これらの分子発現は腎細胞癌の悪性度と相関していた。さらにこれらの分子発現が高い症例は予後不良であった。また、VEGFR阻害剤であるスニチニブ治療後の組織では、c-MET, AXLが高発現していた。さらに AXL, c-METは腫瘍免疫抑制性の癌微小環境形成に関与していることが分かった。特にc-MET高発現例はPD-L1陽性免疫担当細胞が多かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
進行性腎細胞癌の治療方針の決定の大部分は臨床的因子を加味したリスク分類に基づいて行われているのが現状であり、治療方針の決定に役立つバイオマーカーの確立が望まれている。 本研究課題によりカボザンチニブの治療効果とAXL, GAS6, c-MET発現の相関が明らかとなった。現在のところ、カボザンチニブに治療効果を予測するバイオマーカーは確立されていないため、今後はこれらの因子とカボザンチニブの治療効果の関連を臨床的に検討することで、予後予測および治療効果予測因子の確立につながることが期待される。
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