研究課題/領域番号 |
19K07469
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49020:人体病理学関連
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
林 大久生 順天堂大学, 医学部, 准教授 (70569128)
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研究分担者 |
高持 一矢 順天堂大学, 医学部, 先任准教授 (30397369)
細川 正人 早稲田大学, 理工学術院, 准教授(任期付) (60722981)
末原 義之 順天堂大学, 医学部, 客員教授 (70509405)
齋藤 剛 順天堂大学, 医学部, 准教授 (80439736)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 肺癌 / 免疫治療 / 多領域シーケンス / PD-1 / PD-L1 / 免疫療法 / バイオマーカー / 多領域シークエンス |
研究開始時の研究の概要 |
肺癌の治療戦略は免疫療法を加えた治療標的層別化による個別化医療の時代を迎えているが、PD-1抗体治療は抵抗性を示す患者も多く、新規治療効果予測バイオマーカーの早急な開発が望まれる。一方、同一腫瘍からの多領域シークエンスと統計科学的なアプローチによって、がんの進化構造とがんの再発・治療抵抗性との間には密接な関連性があることが示されている。そこで本研究では、免疫療法治療抵抗性を示す分子機構の解明のため、PD-1抗体治療を行った肺癌組織から直径100μm領域のがん組織を複数採取、多領域シークエンスとサブクローン進化構造のクラスタリングの結果から、治療抵抗性を示す遺伝子の同定及び機能解析を施行する。
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研究成果の概要 |
本研究では、治療効果のみられたがん領域と治療効果のみられなかったがん領域において、550個の発現変動遺伝子(DEG)が確認された。その中で、GO解析の結果、'extracellular matrix organization', 'extracellular structure organization'といったGO termが治療効果のみられたがん領域に優位に濃縮され、KEGG pathway解析では、'Focal adhesion'や'PIK3-AKTシグナル(が優位に濃縮されたパスウェイであった。さらに、免疫治療完全寛解例では、MT-ATP8低発現とMZB1 が高発現することが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
MT-ATP8はミトコンドリアDNAであるが、近年、mtDNAの損傷を感知して核に伝える機構が明らかとなり、放射線や薬剤によるmtDNA損傷がインターフェロン等の免疫応答のドライバーとなる可能性が示され 、細胞小器官と核のコミュニケーション機構の解明はがんの新規治療法開発に繋がる可能性が高い。さらに、MZB1は形質細胞様樹状細胞が最も発現し、その他、メモリーB細胞も発現するが、これまで機能が明らかとされていない形質細胞様樹状細胞との免疫応答の解明の先には臓器横断的な免疫治療が成立する可能性が示された。
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