研究課題/領域番号 |
19K07472
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49030:実験病理学関連
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
安田 大恭 秋田大学, 医学系研究科, 講師 (70594951)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | リゾホスファチジン酸 / 血管新生 / DLL4 / YAP/TAZ / GPCR / がん進展制御 / LPA受容体 / リンパ管内皮細胞 / がん病態モデルマウス / Notch / 血管内皮細胞 / YAP / がん |
研究開始時の研究の概要 |
転写共役因子YAPと血管新生制御因子DLL4は、がんの進展に密接に関わることから医薬品の標的分子として期待されている。最近、血管内皮細胞において2つのリゾホスファチジン酸受容体 (LPA4とLPA6) が、YAPを介してDLL4発現を抑制する作用を発見したが、この作用ががんの進展制御に果たす役割は不明である。本研究では、YAPのDLL4発現抑制の分子機構を明らかにするとともに、マウスのがんモデル解析により生体でのLPA4/LPA6のがん進展制御の役割を見出す。さらに、薬理学的解析により、がん病態に対する新たな治療薬開発のための有用な情報提供を目指す。
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研究成果の概要 |
生理活性脂質リゾホスファチジン酸 (LPA) の2つの受容体LPA4とLPA6は血管内皮細胞 (EC)に発現し、三量体Gタンパク質G12/13、低分子量Gタンパク質Rho、転写共役因子YAP/TAZシグナルを介して、Notch経路の血管制御因子DLL4の発現を抑制し、ECの萌出による血管新生に寄与することを明らかにした。また、EC特異的にLPA4/LPA6を二重欠損させたマウスの新生血管先端領域ではYAPの核内移行が低下し、DLL4の発現量が増加していた。さらに、Aktが促すβ-カテニンとNotch細胞内ドメインによるDLL4遺伝子発現誘導を、核内のYAPが抑制することを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回はLPA4とLPA6が協調してG12/13-Rho-Rockシグナルを惹起してYAP/TAZを活性化し、Dll4遺伝子の発現を抑制することを証明することができた。この成果は、LPAによる血管新生制御について新規分子メカニズムを解明したことになる。LPAのYAP活性化による血管新生を介したがん進展制御の関わりはまだ見出せていないが、LPA4とLPA6はリンパ管新生にも重要であることを明らかにしており、このメカニズムを基盤に病的な血管・リンパ管新生を減らすなどの戦略により、がんや加齢黄斑変性症などの「血管新生病」に対する治療法開発が進むことが期待される。
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