研究課題/領域番号 |
19K07477
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49030:実験病理学関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
桜井 敬之 信州大学, 学術研究院医学系, 准教授 (80317825)
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研究分担者 |
武井 則雄 北海道大学, 医学研究院, 助教 (50523461)
新藤 隆行 信州大学, 学術研究院医学系, 教授 (90345215)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | アドレノメデュリン / RAMP / 受容体活性調節タンパク質 / 炎症性腸疾患 / 大腸オルガノイド / ゲノム編集 / 多遺伝子同時改変 / 複数同時ゲノム編集 / CRISPR/Cas9 / 腸オルガノイド / 受容体修飾因子 |
研究開始時の研究の概要 |
アドレノメデュリン(AM)は、多彩な生理作用を有する生理活性ペプチドであり、各種疾患への臨床応用が期待されている。この多生理作用は、AMの受容体に結合する受容体活性調節タンパクRAMP1、2、3によって制御されていると考えられているが、詳細な分子機構は不明である。 本研究では、複数同時ゲノム編集という申請者が独自開発した技術によりRAMP1、2、3について複数の変異を併せ持つマウス群を体系的に作製する。同マウスによる炎症性腸疾患などの病態モデルの解析や、腸オルガノイド、 各種の初代培養細胞を用いた検討によりRAMP1、2、3の病態生理学的意義の解明し、AMの臨床応用への知識基盤に貢献する。
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研究成果の概要 |
本研究は、RAMPサブアイソフォームに変異を併せ持つマウスを申請者の開発の技術で作製し、そのマウスのDSS炎症腸疾患モデル、大腸オルガノイドや、マクロファージ細胞の解析により、マウスの大腸炎は主にRAMP1、3が関与することを明らかとし、RAMP1欠損マウスでは大腸炎が増す一方で、RAMP3欠損マウスではその耐性が増すことを見出した。この基盤として、炎症刺激を受けた大腸上皮はRAMP1/RAMP3シグナルが同時かつ相乗的に働く一方で、マクロファージ細胞ではRAMP1とRAMP3発現の連環性と、RAMP1/RAMP3シグナルが同時かつ相反的に炎症刺激に応答する機能分化の存在を示唆する結果を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
アドレノメデュリン(AM)は、臓器保護作用、抗炎症作用、抗酸化作用など多彩な生理機能を有し、日本発の治療薬、診断薬への応用が期待されている。最近、ステロイド治療抵抗性の潰瘍性大腸炎患者へのAMの臨床治験や、敗血症の循環障害対象の抗AM抗体、アドレシズマブの臨床応用が進展している。一方、この多生理機能を制御するRAMPサブアイソフォームの病態生理学的意義や作用機序など多くは不明である。本研究は、RAMPサブアイソフォームの機能分化と相互作用の存在を明らかとした。臨床応用の基盤のAM作用機序の理解を深め、かつAMを含むリガンドの代わりの新規治療標的としてRAMPの可能性を示した。
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