研究課題/領域番号 |
19K07494
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49030:実験病理学関連
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研究機関 | 千葉県がんセンター(研究所) |
研究代表者 |
奥村 和弘 千葉県がんセンター(研究所), がんゲノムセンター 実験動物研究部, 研究員 (80584680)
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研究分担者 |
若林 雄一 千葉県がんセンター(研究所), がんゲノムセンター 実験動物研究部, 部長 (40303119)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 順遺伝学 / DMBA/TPA化学発がん / 日本産野生由来近交系 / Pak1 / 選択的ポリアデニル化 / DMBA/TPA多段階皮膚発がん / 表皮細胞 / 樹状細胞 / コンディショナルKOマウス / 多段階皮膚発がん / がん感受性遺伝子座 / ゲノム編集マウス / ランゲルハンス細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
これまでに申請者は、多段階皮膚発がんモデルと順遺伝学的手法により、マウス染色体上にがん感受性遺伝子座(Stmm1-12)をマップしている。さらに、遺伝子改変マウスの解析から表皮樹状細胞のランゲルハンス細胞にと表皮細胞の相互作用が皮膚がんに重要である可能性を得た。そこで、本申請は発がん感受性に寄与する表皮細胞とランゲルハンス細胞間相互作用の遺伝学的解析をStmmに焦点を当て実施し、発がん感受性に差が生じる機構を明らかにする。
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研究成果の概要 |
Pak1 の 3'非翻訳領域(3'UTR)に皮膚腫瘍修飾に関与する機能的 SNP を同定した。がん耐性系統MSM/MsのPak1-3'UTRの候補SNPを、CRISPR/Cas9を用いてがん感受性FVB/Nに導入した。DMBA/TPA皮膚発がん実験により、腫瘍を強く抑制するSNP(Pak1 3' UTR-6C>T:rs31627325) を発見した。さらに、MBNL1はFVBアレル(6C/C)とより強く結合し、ポリアデニル化を通じてPak1の3'UTRの転写長および腫瘍形成を制御していた。したがって、Pak1の選択的ポリアデニル化はrs31627325によってシス制御されていることがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
がんは遺伝性の疾患であることから、予防およびその治療には原因遺伝子同定とその機能解明が最重要となる。我々は日本産野生由来近交系マウスMSM/Msの発がん耐性に着目し、順遺伝学的解析とDMBA/TPA多段階皮膚発がんを組み合わせ、発がん感受性に関与する遺伝子およびその機能的一塩基置換(SNP)の同定を試みてきた。本研究ではStmm1a遺伝子座の原因遺伝子の一つとしてPak1を同定し、その3’UTRのSNPが選択的ポリアデニル化を介して、Pak1の発現を制御し、多段階皮膚発がんに影響することを個体レベルで明らかにすることができた。
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