研究課題/領域番号 |
19K07495
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49030:実験病理学関連
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研究機関 | 愛知県がんセンター(研究所) |
研究代表者 |
疋田 智也 愛知県がんセンター(研究所), 腫瘍制御学分野, 研究員 (20600935)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | エクソソーム / がん / 生体イメージング / BRETレポーター |
研究開始時の研究の概要 |
腫瘍微小環境および前転移ニッチの形成など、がん細胞由来エクソソームの様々な機能が報告される一方、実際どの程度がん病態に影響しているかは明らかでない。がんエクソソームの真の生体機能を解析するには、病態を再現した生体イメージングモデルが強力なツールとなる。そこで本申請課題では、がん病態に則したエクソソームの非侵襲的生体イメージングモデルを構築するとともに、それを利用した機能解析を行うことで、本来のエクソソーム機能を明らかにすることを目的とする。また、この生体解析モデルを用いて、がん転移予測モデルの確立やエクソソーム標的薬剤の開発などへの医療応用が可能であるかの検証も合わせて行う。
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研究成果の概要 |
生体イメージングに適した光を放つBRETレポーターを用いて、産生されるエクソソームが光標識されるがん細胞を作製した。この細胞をマウスに移植することで、生体内におけるがんエクソソームの体内動態を可視化し、エクソソームが集積しやすい臓器や組織を同定することに成功した。また、エクソソーム産生を阻害すると考えられた薬剤をこのマウスに投与したところ、腫瘍の大きさには影響はなかったが、血中及び集積組織のエクソソーム由来の光量が顕著に低下した。このエクソソーム生体イメージング系は、がんエクソソームの体内動態やエクソソーム阻害薬の評価系として有用なツールである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
がん細胞は、エクソソームを介して近くや遠くの細胞へ作用し、腫瘍の増大やがん転移に有利な環境を作り出す。このため、がん細胞が産生するエクソソーム量やその集積組織を生体レベルで解析することは非常に重要である。しかし、エクソソームはナノサイズの微細な構造体であるため、これらの解析が非常に困難であった。本研究で構築した生体イメージング系は、高感度かつ定量的に生体内のがんエクソソーム量や集積組織の同定を可能とし、生体におけるエクソソームの機能解析や阻害薬開発の有用なツールとして高い利用価値を有する。
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