研究課題/領域番号 |
19K07497
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49030:実験病理学関連
|
研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
大森 泰文 秋田大学, 医学系研究科, 教授 (90323138)
|
研究分担者 |
山本 洋平 秋田大学, 医学部附属病院, 助教 (70400512)
西島 亜紀 藤田医科大学, 医学部, 講師 (40566105)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
|
キーワード | コネキシン / ギャップ結合 / がん幹細胞 / 小胞体ストレス / ATF6α / ストレス応答 / 細胞内輸送 / 逆行輸送 / 腫瘍浸潤リンパ球 / 小胞体ストレス応答 / 放射線耐性 / パネキシン / 細胞内コネキシン / 適応応答 / がんの進展 |
研究開始時の研究の概要 |
通常細胞膜上にあるコネキシン(Cx)がゴルジ体に貯留する際に、がん幹細胞が増加し腫瘍の転移が促進される。この分子機構に小胞体ストレス応答の適応応答経路が関与していることを明らかにする。特に、ATF6αによる適応応答経路の関与に着目し、どのような分子機構でゴルジ体に局在するCxがATF6α経路を活性化するのか、免疫電顕によるゴルジ体内Cxの観察や、ATF6α活性化酵素S1PおよびS2PとCxとの結合の検討により、Cxによるストレス適応応答を解明する。
|
研究成果の概要 |
私たちは、ゴルジ体のConnexin(Cx)が増加するとがん幹細胞(CSC)が増加するとともに、小胞体(ER)ストレス応答タンパクGRP78の発現が高まることを見出した。GRP78の転写因子であるATF6αは、不活化型としてER膜に局在し、ゴルジ体に移動して活性化される。本研究で、ゴルジ体のCxが不活化型ATF6αと結合し、その結果ATF6αの活性化が亢進することが明らかとなった。さらにGRP78の強発現により適応応答が高まり、CSC画分が増加することも確認された。これらの結果により、ゴルジ体Cxにより、ATF6αの活性化を介してGRP78の増加が生じ、CSCが増加することが示された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
コネキシン(Cx)は細胞膜でギャップ結合(GJ)を形成し、細胞間コミュニケーションを高めることで腫瘍の発生を抑制しているが、腫瘍細胞においてはCxが細胞内に局在する傾向にある。また、細胞は様々なストレスに対して、適応応答によってこれを乗り越える仕組みを有している。今回の研究で、ゴルジ体に局在するCxがストレス適応応答を惹起すること、その結果がん幹細胞(CSC)が増加することが示された。CSCは腫瘍の基になる細胞であり、がん治療の標的とされている。したがって、今回の研究成果から、Cxの局在を制御し正常化することで、CSCの量を減少させることが期待される。
|