研究課題/領域番号 |
19K07512
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49030:実験病理学関連
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
仲矢 丈雄 自治医科大学, 医学部, 准教授 (80512277)
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研究分担者 |
永井 良三 自治医科大学, 医学部, 学長 (60207975)
相澤 健一 自治医科大学, 医学部, 准教授 (70436484)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | KLF5 / 天然変性蛋白 / undruggable / がん分子創薬 / 蛋白間相互作用阻害薬 / 大腸癌 / induced helical motif / 蛋白間相互作用阻害 / 心不全 / 分子創薬 / 転写因子 / アンメットニーズ / KLF5阻害薬 / 癌分子創薬 / Oncocardiology |
研究開始時の研究の概要 |
治癒切除不能な大腸癌の予後は依然不良で、副作用の少ない抗癌剤も開発されていない。特に抗癌剤には心毒性があり、抗癌剤の心毒性により心機能不良な癌患者に対する治療は難しい。私達は、大腸癌に必須な転写因子KLF5の阻害薬が、癌細胞特異的に細胞死を誘導し、マウスモデルで心不全を改善することを解明した。本研究では、①化合物と増殖因子との相互作用、②代謝関連酵素に対する薬理作用を解明し、③化合物結合蛋白を同定する。本研究は、癌関連転写因子・立体構造未解明因子に対する分子創薬と、心筋保護作用をもつ抗癌薬開発の新たなモデルを創生する。
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研究実績の概要 |
私達は転写因子KLF5が大腸癌の形成に必須の因子であることを解明した。ここから、KLF5は癌治療の有力な標的分子と考えられた。しかし、転写因子KLF5は、3次元立体構造を解くことのできない天然変性蛋白であるため、立体構造に基づく阻害薬開発ができない。また、核内因子であるため作用する化合物は核内に到達する低分子化合物でなければならない。これらの困難を克服するため、私達は新しい分子創薬を行った。私達は、KLF5蛋白のアミノ酸配列から、蛋白間相互作用をするとαヘリックス構造をとるようになる領域としてVAIFを予測した。側鎖構造がVAIFに類似し、中心にbicyclic pyrazinooxadiazine-4,7-dioneを持つαヘリックス構造を模した低分子化合物(NC化合物)を開発合成した。NC化合物は、正常細胞を傷害せずヒト大腸癌細胞の生存と増殖を選択的に抑制した。ヌードマウスの皮下に移植した大腸癌細胞の腫瘍は、NC化合物の腹腔投与により抑制され、明らかな副作用を見いだせなかった。さらにNC化合物はWntシグナル系因子、KLF5蛋白を抑制した。私達のアプローチは重要な天然変性蛋白に対する新たな分子創薬法を拓くと考えられる。(Nakaya, et al., ACS Medicinal Chemistry Letters, 2022に発表、特許出願)その後、化合物の物性の改善、新たな創薬展開などを進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度に、創薬困難であったKLF5に対し、新たなアプローチで創薬が行えることを示し、論文発表、特許出願を行った。ただ、NC化合物の他の薬効、さらなる分子作用機構の解明は現在継続中であり、論文発表等できるよう研究を進めていく。
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今後の研究の推進方策 |
NC化合物の抗腫瘍能発揮に関し、さらなる分子作用機構について解明を進める。また、KLF5蛋白中のNC114等と異なる他の領域の模倣化合物等について研究を進める。KLF5蛋白中のNC114等以外の他の領域の模倣化合物も、NC114等と同様に、正常細胞を傷害せず、癌細胞を選択的に抑制するなどを見出している(未発表)。ここから、この化合物に関して、NC114と比較しながら、抗腫瘍能発揮の分子作用機構の詳細な解明を行う。 これらに関し、さらに研究を進め、論文発表等行うようにする。
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