研究課題/領域番号 |
19K07515
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49030:実験病理学関連
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
能登 大介 順天堂大学, 医学部, 准教授 (10598840)
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研究分担者 |
三宅 幸子 順天堂大学, 医学部, 教授 (50266045)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 多発性硬化症 / 再髄鞘化 / 免疫グロブリン / B細胞 / オリゴデンドロサイト / 脱髄 / 脱髄疾患 / 腸内細菌 |
研究開始時の研究の概要 |
多発性硬化症 (multiple sclerosis: MS)は中枢神経系(central nervous system: CNS)における代表的な炎症性疾患であるが、脱髄巣での再髄鞘化障害の存在が知らており、その機序は不明である。また、MSの慢性進行期においては髄膜に胚中心を伴う異所性リンパ組織が形成され、B細胞が髄腔内で免疫グロブリン産生することが知られている。そこで本研究ではMSにおける再髄鞘化障害にB細胞が関与しているとする仮説を立て、CNSの脱髄モデルや試験管内モデルを用いてMSにおける未知の再髄鞘化障害機序を明らかにする。
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研究成果の概要 |
多発性硬化症 (multiple sclerosis: MS)では、脱髄巣での再髄鞘化障害の存在が知られている。我々の研究により、脱髄を誘導した脳切片培養系では、B細胞が産生する免疫グロブリンが再髄鞘化を促進することが示された。また髄鞘を形成するオリゴデンドロサイト前駆細胞(oligodendrocyte precursor cells: OPC)を用い、免疫グロブリンがOPCの分化および髄鞘化を促進することを明らかにした。さらにB細胞欠損マウスでは、脱髄が悪化することが分かった。免疫グロブリンがOPCに作用し、分化、髄鞘化を促進し、脱髄を軽減することが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、中枢神経系を構成する神経細胞やグリア細胞と免疫系との関連に注目が集まっている。しかしながら、髄鞘を形成するグリア細胞であるオリゴデンドロサイトと免疫細胞との関連については未だ明らかではない。また、MSにおけるB細胞の役割について注目されているが、脱髄や再髄鞘化とB細胞との関連については未だ知られていない。今回の我々の研究により、B細胞が産生する免疫グロブリンがオリゴデンドロサイトの前駆細胞であるOPCの分化と髄鞘化を促進することが明らかとなり、今後MSの新たな治療法の開発につながる成果であると考えられた。
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