研究課題/領域番号 |
19K07521
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49040:寄生虫学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
東岸 任弘 大阪大学, 微生物病研究所, 特任准教授 (20379093)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | マラリア / 感染赤血球 / ホスファチジルセリン / エリプトーシス / 免疫誘導型マラリア薬 / 免疫誘導型抗マラリア薬 |
研究開始時の研究の概要 |
マラリアの臨床症状はマラリア原虫の赤血球への侵入と増殖によって引き起こされる。 赤血球のアポトーシスであるエリプトーシスでは、“eat-me”シグナルと呼ばれるホスファチジルセリンの露出を引き起こし、マクロファージにより貪食される。 これまでに低分子化合物Xが感染赤血球特異的にホスファチジルセリンを露出させ、ヒト単球株であるTHP-1細胞によって貪食されることを見い出した。しかし、そのメカニズムについては明らかではない。本研究では、低分子化合物Xによる感染赤血球特異的なPS露出のメカニズムを解明し、抗マラリア免疫応答を解析することで、“免疫誘導型抗マラリア薬”の可能性を検討する。
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研究実績の概要 |
前年度までに感染赤血球特異的にホスファチジルセリンを露出させる低分子化合物のスクリーニングを可能な系を構築した。しかし、病原体であるマラリア原虫を用いたスクリーニングでは1度に準備できる量に限界があるなど、効率的なスクリーニングができなかった。そこで浮遊系のヒト培養細胞を用いたスクリーニング系も併せて構築したところ、複数のポジティブな低分子化合物が取得できた。しかしパイロット試験で取得した低分子化合物はマラリア原虫を用いた本試験においてほとんど効果がみられず、マラリア原虫を用いたスクリーニング法の改善が結局は近道であった。そこで前々年度、前年度に引き続き今年度もさらにマラリア原虫を用いたスクリーニング法を改善しつつスクリーニングを再開した。しかし、目的とする化合物が得られず、より効果的、効率的なスクリーニング法を確立する必要があり、改良を重ねた。具体的には、マラリア原虫感染赤血球の調整法の検討、化合物の添加量・添加のタイミングの検討、感染赤血球の固定法の検討、露出したホスファチジルセリンの検出法の検討である。今年度はこれらの方法を検討しつつ化合物のスクリーニングを進めたが、満足のいく化合物は得られなかった。これまでに既に取得している低分子化合物に関して、前年度に当該低分子化合物と結合するマラリア原虫タンパク質のスクリーニングを実施し、候補タンパク質を複数同定した。そこで当該低分子化合物とこれらのタンパク質との相互作用の確認を目的として、組換えタンパク質の合成、さらに検出抗体(抗血清)を作成した。作成した検出抗体を用いて作用機序の解明を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
前年度までにスクリーニング法を組み立て、実際にスクリーニングをしつつスクリーニング法の改良に取り組んだが、十分に効果的なスクリーニング法が確立したとは言えなかった。そのため、より効果的、効率的なスクリーニング法を確立する必要があり、目的とする化合物が得られていないため。
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今後の研究の推進方策 |
新規低分子化合物のスクリーニングについて、より効果的、効率的なスクリーニング法を確立し、スクリーニングをする。
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