研究課題/領域番号 |
19K07522
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49040:寄生虫学関連
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
新井 明治 香川大学, 医学部, 准教授 (30294432)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | マラリア / ハマダラカ / 伝播阻止 / 希少糖 / D-アロース / ヘキソース・トランスポーター / マラリア伝播阻止 / D-アロース / ヘキソーストランスポーター |
研究開始時の研究の概要 |
研究代表者は自然界に微量しか存在しない希少糖の一種であるD-アロースが、マラリア原虫の赤血球内発育ステージの増殖には影響を及ぼさず、ハマダラカ体内での発育ステージのみを特異的に阻害することを見出しているが、その作用機序は明らかになっていない。本研究ではマラリア原虫、ハマダラカ、ハマダラカ中腸内細菌という3つの生物・細胞について、希少糖の取込み、代謝・変換、代謝産物による原虫発育への作用を調べることで、D-アロースが蚊体内発育ステージ特異的に原虫発育を抑制する機序を明らかにする。本研究で得られる成果は、マラリア原虫の糖代謝系への干渉に基づく新規抗マラリア薬の開発に道を開くものである。
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研究成果の概要 |
ハマダラカの体内でD-アロースがD-アロース6リン酸(A6P)に代謝されるか否かを確かめるために、D-アロースを吸わせたハマダラカのホモジネートについてHPLC分析を行ったところ、A6Pは検出されなかった。これにより、蚊の体内で生成されたA6Pこそがマラリア伝播阻止の真のエフェクター物質かもしれないという仮説は否定された。また、アフリカツメガエルの卵母細胞にPlasmodium bergheiのヘキソース・トランスポーター(PbHT)を発現させることに成功した。今後D-アロースによるPbHT活性阻害をin vitro実験で証明することで、作用機序の解明につながることが期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
マラリア原虫の糖代謝経路を標的とした薬剤標的探索研究は盛んに行われているが、実用化には至っていない。我々は食品として市販されている希少糖含有シロップが十分なマラリア伝播阻止効果を示すことを確認しており、コストと安全性の両面で実用化に近い段階にある。本研究で得られた成果は、希少糖をベースとしたマラリア伝播阻止エサ(Transmission-blocking antimalarial rare sugar bait)実用化のための理論的基盤を提供するとともに、マラリア原虫の糖代謝系への干渉に基づく新規抗マラリア薬の開発に道を開くものである。
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