研究課題/領域番号 |
19K07527
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49040:寄生虫学関連
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
本間 一 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (10617468)
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研究分担者 |
有末 伸子 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (00242339)
市野 進一郎 国立民族学博物館, 人類基礎理論研究部, 特任助教 (30402754)
塚原 高広 名寄市立大学, 保健福祉学部, 教授 (90328378)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | Plasmodium / キツネザル / マダガスカル / ゲノム / 分子疫学 / 進化系統解析 / 動物園 |
研究開始時の研究の概要 |
サル類に寄生するマラリア原虫は潜在的な人獣共通感染症リスクが高いと考えられるが、マダガスカルに生息するキツネザルのマラリア原虫(レムールマラリア原虫)については知見が少ない。近年キツネザルとヒトとの接触機会は増加傾向にあり、レムールマラリア原虫について疫学的・生物学的理解が求められる。本研究では分子疫学調査により野生キツネザルにおけるマラリアの感染状況と原虫の多様性を明らかにする。さらに、レムールマラリア原虫の新規ゲノム解読を行う。本研究で得られる知見によりレムールマラリア原虫の人獣共通感染症リスクの評価、さらには将来的なアウトブレイク・リスクの管理につながる知見が得られると期待される。
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研究実績の概要 |
マダガスカルの野生キツネザルに寄生するマラリア原虫類の分子疫学および新規ゲノム解析を行うことを目的とした研究であるが、コロナ禍の影響により本年度も海外調査はできなかった。そこで、野生集団の調査を行う際の基礎データになりうると考え、国内の動物園から提供を受けたキツネザルおよびその近縁サル種の糞便検体についてアンプリコンメタゲノム解析を行い、腸管寄生・共生生物の網羅的解析を進めた。 別個体から排出されたと識別された検体に由来する糞便DNAを用いて、原核生物の16S rRNA遺伝子と真核生物の18S rRNA遺伝子を標的としたPCR産物を得て、イルミナMiSeqでシーケンス解析を行った。得られたシーケンスデータからOTUを作成しblastnで最近縁種を特定することで系統情報を割り当てた。得られたデータセットについて、宿主サル種ごとのコアメンバーとなる微生物種を解析した。原核生物ではSutterella属がいずれの動物種でも最も主要であったが、種レベルでは異なっていた。同様の傾向は真核生物でも観察され、Blastocystis属はいずれの宿主でもコアメンバーとして検出されたが、それぞれの動物種で優占しているサブタイプや優占の度合いには違いが見られた。宿主となるサル種によって腸管生物群におけるコアとなる微生物種がそれぞれ存在する可能性が示唆された。また、ネットワーク解析によって微生物間の相互関係を明らかにすることを試みた。共生・寄生生物間の正の関係、負の関係を明らかにするため分析を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
諸々の理由により海外調査を実現できなかった。研究の進捗は遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルスによる影響も落ち着いてきたため、2024年度中に海外調査を実施するために計画を進めている。国内動物園より提供いただいた試料についてメタゲノム解析について追加実験を行うとともに、論文発表の準備を進める。
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